一方、欧州では、石油大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや仏トタル、ノルウェーのエネルギー会社エクイノール(Equinor)などがすでに、洋上風力発電事業に本格的に取り組んでいる。
シェブロンのベンチャーキャピタル部門であるシェブロン・テクノロジー・ベンチャーズ(CTV)と、ノルウェー複合企業モールド傘下のモールド・オーシャン・ウィンドは2021年4月13日、カリフォルニア州オークランドに拠点を置く、浮体式風力発電タービン開発企業オーセルギーに投資することで合意した。
オーセルギーは今回の資金確保を受けて、世界各地で進む「ギガワット級」商業エネルギープロジェクトとの競合を目指す。
投資に関する詳細は開示されていない。
エネルギー関連調査会社ウッドマッケンジーのシニアアナリスト、アンソニー・ローガン(Anthony Logan)によれば、今回の契約は「米石油大手による初の洋上風力発電投資」だという。
ただしシェブロンには、大規模な風力発電事業を自ら展開する計画はないようだ。米フォーブスは、詳細についてシェブロンに話を聞いた。
シェブロン・テクノロジー・ベンチャーズのプレジデント、バーバラ・バーガー(Barbara Burger)は声明で、「洋上風力発電分野では、低炭素エネルギーの供給を目指して、技術革新が急速に進んでいる」と述べた。「オーセルギーが開発しているテクノロジーは、海洋環境において、より安く、より信頼性が高く、かつてないほどクリーンなエネルギーを供給するソリューションの一端を担う可能性がある」
シェブロンは2021年2月25日、低炭素でクリーンなエネルギー技術に3億ドルを投資する計画を発表していた。シェブロン・テクノロジー・ベンチャーズとオーセルギーの提携は、その一環だ。
バーガーは、再生可能エネルギー関連メディア、リチャージ・ニュースに対し、「シェブロンは、洋上風力発電が未来のエネルギーシステムの一翼を担うことになると考えている。また、コストを削減する必要性があることも認識している。そのため当社は、現状を一変させる飛躍的な技術に注目している」と述べた。