インタビューを通じて
地方経済の活性化の重要性は昔から言われていました。ただ行政区分の縦割りの考えが有り、なかなかエリア全体で地域の魅力を掘り起こし地域経済を活性化することが思うように進まなかったのが現状です。コロナ禍以降、地方経済の疲弊は加速度的に進んでいますので、今こそ広域地域連携が重要だと思います。
小泉市長とは、2018年より、浅間山麓観光地域づくり、「発酵食品」を中心としたローカルガストロノミー、軽井沢町・御代田町・小諸市の3首長による「広域観光連携(食とワークとアート)で地域活性化をテーマとした、「大軽井沢経済圏地域価値創造フォーラム」などを小諸・東京・軽井沢で過去5回開催してきました。これからも広い視点で広域連携による地域の活性化はますます重要度が増すと思います。
日本を代表する活火山「浅間山」。雄大な山容と四季折々で姿を変える妖艶な姿は見るものを魅了する。唯一の登山口が小諸市にあり、年間を通じて多くの登山客が訪れている
小泉俊博◎長野県小諸市長。1963年(昭和38年)4月生まれ(現在58歳)。駒澤大学法学部法律学科卒。故井出正一厚生大臣・衆議院議員秘書を経て、行政書士事務所開業。長野県行政書士会理事(総務部長)・佐久支部長、長野県商工会議所青年部連合会長、小諸商工会議所青年部会長などを歴任する。5人の争いとなった2016年4月の小諸市長選挙に出馬し、初当選。現在2期目。
市長就任以来、民間出身の市長としてユニークな発想でPR動画「小諸がアツ・イー」シリーズなど小諸市のシティプロモーションの取り組みや、公営墓地の合葬墓を返礼品とした特色ある「ふるさと納税返礼品」などでマスコミから注目を集める。2期目の現在は、小諸版ウエルネスシティを掲げ、人口減少社会において選ばれるまちとなるべく、移住定住、関係人口の創出に力を入れている。
小諸市の旧北国街道沿いの江戸時代の脇本陣を改装してオープンした宿「粂屋」(くめや)。参勤交代では加賀藩の家臣が宿泊したとの記録が残っている。収容員数:宿泊19名、カフェ20名・客室5部屋・貸室2室
長野県小諸市の紹介
小諸高原美術館・白鳥映雪館と北アルプスを臨む。小諸インターチェンジに近く、浅間サンライン沿いに位置する美術館などが建つ飯綱山公園は、Park-PFIの活用によりより質の高い利用を目指す
かつては養蚕、製糸業などで栄え「商都こもろ」と呼ばれたまちで、地域経済の中心地であった。現在は、小諸市の中心市街地は、国土交通省が推進している「地方都市リノベーション事業」の第1号に採用され、小諸駅を起点とし小諸城址懐古園や都市機能を集積し、郊外と公共交通で結ぶネットワーク型コンパクトシティを進めている。
江戸時代に宿場の中心として旅籠や店が並んでいた旧北国街道沿いには商家の町屋づくりの街並み、駅から浅間山に向かって連棟式の商店街や昭和の香りを残す居酒屋街など情緒のある通りが存在している。
また、小諸・藤村文学賞や虚子・こもろ全国俳句大会などを主催したり、県内唯一の音楽科を有し、プロの音楽家を輩出する小諸高校やTBSこども音楽コンクールの小学生の管楽合奏部門や合唱部門で日本一になるなど文化活動も非常に盛んである。
連載:『人生100年時代 豊かな生活をおくる次世代ライフスタイル学』
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