アスリートの誘致、標高2000メートルで合宿、日本有数の晴天率
鈴木:小諸市は、アスリートの誘致に力を入れているとお聞きしています。具体的にどのようなアスリートが来られているのですか?
高峰高原は国内屈指の標高2000メートルに位置するトレーニングエリア。市街地エリアから車で30分で到着でき、全長約4キロメートルの林道と拠点となる宿泊施設がある。標高650メートル~2000メートル内で、選手やチームへ標高差を活かした様々な練習環境を提供している
小泉:トライアスロン(男女ナショナルチーム)、競歩(男子ナショナルチーム)、駅伝(箱根駅伝:東海大学・日本体育大学、都大路駅伝:佐久長聖高校・長野東高校、クイーンズ駅伝:三井住友海上女子陸上部・肥後銀行)、マラソン、トレイルランニングなど多くのトップアスリートがトレーニングに来ています。
鈴木:なぜ多くのアスリートが小諸に来るようになったのですか?
小泉:国内屈指の標高2000メートルで高地トレーニング合宿ができることがポイントです。また、標高1000メートルの林道やトラック、700メートルの民間スポーツ施設などをトップアスリートは利用し、この地の特性を活かした、様々なトレーニングメニューが可能です。さらに、隣の東御市の標高1740メートルにある50メートルの長水路プールや佐久市の第2種公認陸上競技場などを利用するなど広域連携での取り組みも可能です。
それから日本有数の晴天率(雨雪日は年間約30日、降水量約820ミリ)と気候が冷涼(平均気温12.2度)なのでトレーニングには最適な環境だと思います。
また、官民連携の組織体制──「小諸市エリア高地トレーニング推進協議会」を設置し、病院、商工会議所、JA、企業、体育協会など8団体で構成し、それぞれが得意としている分野で活動しています。
さらに、医療サポート体制の充実-緊急医療体制がしっかりしていることは勿論ですが、血液採取などにより高地トレーニングの効果を測定する支援を協議会メンバーのこもろ医療センターが行っています。また、科学的なエビデンスを得るため東海大学のスポーツ医科学研究所と連携を行っています。最終的には、取得したデータなどを市民の健康づくりに反映できるように今後展開していくことを目指しています。
鈴木:万全な体制ですね。最後にウエルネス・アスリートを絡めたワーケーションプログラムも考えられると思いますが、そのあたり如何でしょうか?
小泉:コロナ禍でワークスタイルが大幅に変わり、オンラインがメインになってきました。眼精疲労、腰痛、猫背などの症状も多いと聞いています。そのようなワーカーを対象に、軽井沢をゲートウェイとして浅間南麓の御代田町、東御市、上田市、佐久市、小諸市が連携した、広域でのウェルビーイング型ワーケーションや、飲食メーカーや飲食店のワーカーを対象とした酒類クラスターの課題解決型ワーケーションも考えられると思います。企業側も福利厚生費で社員を参加させることが出来るのではないでしょうか。
また、小諸市と佐久市には最近注目されているノルディックウォーキングのポールのメーカーがあります。ノルディックウォーキングの動きは身体にある90%の筋肉が使われることや場所を選ばず1年中できるため、「最もヘルシーなスポーツ」と認められています。
ここ数年、高齢者、若者を問わず健康維持のため、ノルディックウォーキングをする地域住民が増えてきています。都会のワーカーの皆さんにもぜひ健康維持や心身ともにリフレッシュするため、大自然の中でノルディックウォーキングされることをお勧めします。