経済・社会

2021.04.20 06:30

英国はワクチンと全世帯検査で「脱コロナ」へ、従うべき一例に


英国はこれまで迅速抗原検査を、医療従事者や人々の生活に欠かせない業務に就く人たち(エッセンシャルワーカー)に必要なものと位置づけてきた。この検査によってこれまでに、見逃されていた可能性もある12万以上の感染例が、確認されている。

今後はすべての国民がこの検査を受けられるようになることで、より多くの感染者を把握し、感染の連鎖を断ち切り、命を救うことができるようになるだろう。

米国が取るべき対応は


英国がこのようにワクチン接種と迅速抗原検査を同時に促進していくことができるなら、なぜ他の国にできないというのだろうか──?

米食品医薬品局(FDA)今年3月、より多くの無症状の人の感染の有無を確認できるようにするため、複数の検査キットの市販を承認した。これは、正しい方向への第一歩といえるだろう。

だが、米政府は25~50ドル(約2700~5400円)の検査キットの購入にかかる費用の補助について、明確な方針を示していない。これは、大半の世帯が定期的に購入できる金額を大きく上回っている。

米国が新型コロナウイルス対策として次に講じるべき手段は、医療保険の加入状況や所得にかかわらず、英国の例に従い、すべての人が定期的に検査を受けられるようにすることだ。

それにどれだけの費用がかかろうと、コロナ禍で失われ続ける生産性と、何兆ドルにもなるとされる支出に比べれば、はるかに少ない額に収まると考えられる。

編集=木内涼子

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