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『人生100年時代 豊かな生活をおくる次世代ライフスタイル学』


大軽井沢経済圏の酒類クラスターの魅力


特に千曲川ワインバレーのエリアには、ワインだけではなく酒類全般の生産拠点が集結している。

来年には小諸と軽井沢でウイスキーの蒸留所がオープンする予定。そうなればエリア全体でワイン(ワイナリー19箇所・ヴィンヤード28箇所 ※1)、日本酒(酒蔵18箇所 ※2)、ビール(ブルワリー3箇所)、ウイスキー(蒸留所2箇所・今後)、焼酎やクラフトジンを造る酒蔵もあり、アルコールの生産拠点のクラスターを形成している。「バッカス(ギリシア神話の酒神)街道」としてツアーも組まれたこともあるほどだ。

※1 ヴィンヤードはワインを販売しているもののみ(単なる栽培者は集計値なし) ※1、2ともに軽井沢と周辺エリアの小諸市・御代田町・佐久市・東御市・上田市の範囲で集計(saku13のうち1蔵は佐久穂のため計上せず)


来年完成予定の軽井沢蒸留酒製造の「小諸蒸留所」の蒸留施設とビジターセンターのイメージ。小諸の気候風土が世界最高のウイスキー醸造に適しているとしてこの地が選ばれた。


また学びの場として、玉村豊男さんが2015年に立ち上げた日本初の民間ワインアカデミーである千曲川ワインアカデミー(東御市)がある。ブドウ栽培とワイン醸造、およびワイナリーの起業と経営について学ぶ事ができる。卒業生はすでにこの地でワイン生産をしている人も多い。2020年までの5年間で120名を超える修了生を輩出、その4割がワイン用ブドウ作りに携わっていて将来のワイナリー設立を目指している。

さらに2022年に長野県小諸市に設立予定のウイスキーの蒸留所内に、世界のウイスキーを学べるウイスキーアカデミーも計画されている。

学びの場がある事により情報が集まりやすくなり、多くの企業や組織が地域と共に共創・協力し、お互い学び合ったり連携したり、人と人が交わることにより、最終的にはイノベーションが誘発されやすくなる。まさに理想的な酒類クラスターである。

日本では車で1時間の範囲にここまでの規模で酒類が集積している場所は他には無い。電車も北陸新幹線は軽井沢駅、佐久平駅、上田駅と3駅ある。さらにローカル電車のしなの鉄道(旧JR信越本線)が軽井沢駅から小諸・長野(北しなの線経由で妙高高原までつながる)を結ぶ。しなの鉄道の車窓から見える牧歌的な風景、浅間山の雄姿は圧巻だ。酒類ツールズムやリゾートテレワークなど大きな可能性がある。

次回は、インタビュー編として、長野県小諸市の小泉市長にインタビューし、現状と今後の戦略について聞く。

連載:『人生100年時代 豊かな生活をおくる次世代ライフスタイル学』
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文=鈴木幹一

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