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HBOとの提携を発表したU-NEXTは業績好調をブーストする取り組みだと強調する。

映画、ドラマ、電子書籍などを配信するU-NEXTの有料会員数が200万人を超えた(2020年8月)。SVODと呼ばれるサブスクリプション型の動画配信サービスは、AmazonプライムやNetflixなどいくつも強力なライバルが存在するが「日本ブランド」としてその一角に食い込み、成長を続けている。

同社は3月に米ワーナーメディアとSVODにおける独占パートナーシップ契約を結び、そして4月初頭、ワーナーのプレミアムチャンネルであるHBOとHBO Maxの独占見放題配信を発表した。「セックス・アンド・ザ・シティ」をはじめとした人気シリーズ、最新ドラマはもちろん、映画も含まれる。U-NEXTの代表である堤天心は、「今回の提携はワーナーさんにU-NEXTの可能性を評価していただいたのだと理解しています」と語る。

会員200万人を超える成長とHBOとHBO Maxの独占契約。U-NEXTの戦略はコンテンツ戦争とも呼ばれる業界のうねりの中で着実な一歩であると堤は自信を見せる。

U-NEXTは、配信会社でありながら、まるでデジマ企業


U-NEXTは、映画、ドラマ、音楽、電子書籍など幅広いコンテンツを提供しており、これは利用者のニーズに幅広く応えるものだ。しかし1人が複数の配信プラットフォームの会員になる時代に、U-NEXTが選択され続ける理由は必要だ。

インタビューに答える堤
U-NEXT代表取締役社長 堤天心

「私たちがユーザーの支持を得るために注力したこと。それはまず『品揃え』です。基本的なことですが、これには多くの工夫と投資が必要です。例えば映像作品を1万本扱うと、配信のためのシステムやストレージへの巨額の投資が必須で、それを適切にユーザー届けるための方法、また、戦略として、超大作1本で新規会員の促進を促すのか、複数の多彩な作品で同じ数を目指すのか、といったロジックも重要です」

U-NEXTは2021年4月時点で21万本の見放題映像作品、電子書籍(都度課金)では63万冊を持つ。

「もうひとつ重要なのが、『マーケティング』です。Amazonさんが圧倒的な品揃えで、SEOを駆使し、物流まで惜しみなく投資し一連のフローを自動化させており他社の追随を許さない。これと同様に、品揃えを会員数増加や満足度向上へレバレッジするために、webマーケティングに投資することが重要なのです。つまり、配信サービスのベースの価値として、まず品揃えがあり、最適な形で加入を検討している方やユーザーに作品を提案するということです」

堤は、競合他社が話題作でPRするという手法を真似しなかった。同じ手法で戦うのではなく、まず配信可能な作品を大小問わず扱い、選んでもらえる棚を増やす。店舗の棚に商品があふれるかのごとく。それを最適化=パーソナライズして滞在利用者に届けるという手法で勝負したのだ。

マーケットシェアの表
U-NEXT説明会資料より抜粋。(GEM Partners「動画配信(VOD)市場5年間予測(2021-2025年)のサービス毎市場規模(アンケート+売上推計)シェア比較)

「これはリテールマーケティングです。デジタルコンテンツは利用者にとって最適解を提供することが可能です。個人にとって好きな作品はそれぞれ違うし、そもそも日本の市場は作品のジャンルやメディアの多様性にあふれていて、映画もアニメもバラエティも、あらゆる作品が存在する。選択のニーズに応えるために、マーケティングに惜しみなく予算を投下してきた結果が、200万人というひとつの大台に到達したのです」

文=Forbes JAPAN 編集部 写真=西川節子(人物)

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