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I cover young people doing big things

フィサヨ・ロンゲ(Photo by David M. Benett/Dave Benett/Getty Images for Audi UK)

ナイジェリア出身の女性起業家、フィサヨ・ロンゲ(Fisayo Longe)はアフリカにインスパイアを受けたファッションブランド「Kai Collective」を世界に送り出そうとしている。

2021年のフォーブスの「30アンダー30ヨーロッパ」の、アート&カルチャー部門の顔となったロンゲは「ファッションを通じて、ナイジェリアの女性たちに男性に頼らずに生きていく姿勢を提示したい」と話す。

2016年にD2C モデルのEコマース企業を設立した彼女は、外部からの資金を一切入れず、自身でビジネスの100%を保有している。Kaiの売上は2019年から2020年にかけて535%増加し、55万ドルに達している。

「ブランドに明確なメッセージがなければ、今日の成功はなかったはずだ」とロンゲは話す。

Kai のアイテムは、米国やイギリス、オーストラリア、ナイジェリアに住む24歳から30歳の女性を主な顧客としているが、年齢や体型、民族、人種などはさまざまだ。体のラインを強調したGaiaドレスをはじめとするベストセラー商品の多くは高価に見えるが、その価格は230ドル以下だ。

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現在はロンドンに住む彼女は、ナイジェリア最大の都市ラゴスから15歳のときに、法律を学ぶために英国に渡った。その後、会計事務所のKPMGのインターンシップに参加した彼女は、会社から資金援助を受けてダラム大学に進んだ。

しかし、その3年後、彼女は経済学の最終試験を3回も落としてしまい、退学処分となった。その当時26歳だったロンゲは、以前からの夢だったファッション分野での起業にチャレンジし、母親から借りた1万ドルを元手に事業を立ちあげた。そして2016年に設立したのが、Kai Collectiveだ。

ファッション業界とのコネクションを持たないロンゲは、インスタグラムを中心にプロモーションを行い、現在は12万人以上のフォロワーを抱えている。転機となったのは、2020年1月のBAFTA(英国アカデミー賞)のパーティーで、Kaiのドレスを着た彼女の写真がバイラルで拡散したことだった。

しかし、事業がようやく軌道に乗り始めた頃に、パンデミックが発生し、中国の広州に製造拠点を置いていたKai は、業務の大半をトルコに移転させた。その後、#BuyBlack運動の高まりを追い風に、5月から6月にかけて売上は440%以上増加し、5万ドルに達した。

ファストファッションからは距離を置く


さらに、ビヨンセやVOGUEのインフルエンサーたちが、黒人の起業家が立ち上げたKaiに注目してくれたことも業績を後押しした。

海外への渡航制限が解除されたら、ロンゲは米国に拠点を移すことを計画している。ASOS(エイソス)からもアプローチを受けたが、ファストファッションとの関わりを避ける彼女は、そのオファーを断った。これまでに直面した困難にもかかわらず、彼女は自分の会社の将来について楽観的だ。

「黒人として育つと、どれだけ一生懸命働かなければならないかを思い知ることになる。だから、私には信じがたいほどの仕事熱心さがある」とロンゲは話した。

編集=上田裕資

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