ビジネス

2021.05.01

国際送金で躍進の英フィンテック「Checkout.com」、企業価値は150億ドル

Checkout.comの創業者のギヨーム・ポサーズ(C)CHECKOUT.COM

ロンドンに本拠を置く国際送金のフィンテック企業「Checkout.com」の創業者のギヨーム・ポサーズ(Guillaume Pousaz)は現在、ヨーロッパで最も裕福なテック系起業家の一人となっている。

ポサーズはCheckout.comの株式の67%を保有しており、その価値は90億ドル(約9790億円)と推定される。彼はフォーブスの2021年の「世界の富豪ランキング」に掲載されている。

大学を中退したポサーズは、Eコマースやオンライン決済処理の問題を解決するために、2012年にCheckout.comを設立した。同社は今年1月に4億5000万ドルを調達したが、その際の評価額は150億ドルに達した。

Checkout.com の評価額は昨年6月時点の55億ドルから約3倍に伸びており、3年ほど前までほぼ無名だった同社の急成長ぶりを示している。

ポサーズの保有資産90億ドルは、英国のチャレンジャーバンクとして知られるRevolutの創業者Nik Storonsky(12億ドル)や、スウェーデンの後払い決済企業クラーナ(Klarna)CEOのセバスチャン・シェミャートコフスキ(22億ドル)らを上回っている。

一方で、Checkout.comの競合のストライプとAdyenは、オンライン決済分野で圧倒的存在感を誇っている。非公開企業であるストライプの評価額は1150億ドルで、上場企業であるAdyenの時価総額は約600億ドルだ。

経済学の最終試験に落ちて大学を中退したポサーズは、カリフォルニアでサーフィンをした後、2012年にCheckout.comを設立した。国際送金を手がける同社の顧客にはH&Mやピザハット、デリバルーが含まれており、ここ最近で約500社のオンライン小売業者が加わったという。

Checkout.com の2019年の収益は、前年の7400万ドルから1億4600万ドルに増加したが、利益が出ているかどうかは明かしていない。また、社員数は2020年に前年の2倍の300人以上に増加したという。同社はオンラインで処理される数十億件の取引から少額の手数料を得ている。

Checkout.comの出資元としては、シンガポールの政府系ファンドやロシアの億万長者のユーリ・ミルナーの投資会社、DST Global、ニューヨークのInsight Venture Partnersなどが挙げられる。さらに、今年1月にはタイガー・グローバル・マネジメントも同社に出資していた。

編集=上田裕資

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