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2021.04.19 11:30

食品廃棄物の問題に挑む米スタートアップ、約76億円を調達


ヘーゼルの小袋に入っているのは、砂や土、灰、木から作られた粉末で、熟成のプロセスを遅らせるエチレン阻害剤が注入されている。配送用の箱の中に入れられた小袋からは蒸気が制御放出され、商品を保管・輸送できる期間が長くなり、生産者と消費者の両方に利点がある。

ミッション・プロデュースで事業開拓の上級責任者を務めるパトリック・コーテスは、同社がこれまでヘーゼルの商品を使い、熟したアボカドの保存期間を2~4日間延ばしてきたと説明した。

ヘーゼルとミッションは共同で、米国の一部のスーパーチェーンに日持ち期間が長めのアボカド「アボラスト(AvoLast)」も試験的に導入している。

またミッション・プロデュースは、ヘーゼルの小袋を使ってペルー産のアボカドをインドまで60日ほどかけ輸送する実験にも複数回成功している。「当社はこのおかげで、ハスアボカドの新たな市場を開拓できた」とコーテス。小売店側では捨てるアボカドが約50%減ったこともデータから示されている。

コーテスによると、スーパーでは熟したアボカドを手に取ることができるのが理想だ。「アボカドをさらに熟れさせ、多くの完熟アボカドを消費者に提供できることがアボラストの理論的な考えだ」と明かした。

これは、販売業者の売り上げが倍から3倍になる可能性を意味する。

ヘーゼルの小袋の成功は、ただの始まりに過ぎない。モアによるとヘーゼルは現在、食品をより長持ちさせる複数の商品開発に取り組んでいる。

例えば、ジャガイモなど根菜の発芽を抑制するものや、ベリー類を新鮮に保つための抗菌性があるものだ。ヘーゼルはまた、肉や魚の腐敗を止める商品や、自宅で保管する農作物の鮮度を保てる消費者直販の商品の開発も進めている。

ヘーゼル・テクノロジーズの投資家の一人であるジェレミー・グランサムは発表で、気候変動の問題が悪化する現在では、食品廃棄問題を解決することが非常に重要だと指摘し、「ヘーゼルの技術は、こうした世界的な解決策に欠かせないものとなるだろう」と述べた。

翻訳・編集=出田静

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