国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


そのラリー車たちの後ろに置かれていたクラシックカーはまるで博物館並みの質を誇るザガート・デザインのクルマだった。100年前からカロッツェリアとして数々の名車を手がけていきたイタリアの名門デザイン・スタジオ「ザガート」による車両は、ランチア・フルヴィア1.3S、フィアット・アバルト750GT、そしてアルファ・ロメオ1600ジュニア・ザガートだった。

ザガート
アルファロメオ1600ジュニア・ザガート

いっぽう、それらイタリア車の向かい側にあったのは、日本のラリー界を代表するクルマだった。

ワールド・ラリー選手権に3回も優勝したスバル・インプレッサもあったし、サファリ・ラリーやモンテカルロ・ラリーなどに参戦した日産240Z、240RS、ブルバード1600SSSが展示されていた。

しかし、このラリー車の前で不思議なことを感じた。実際そこにあったのは、スバルと日産の展示車だけれど、展示されていない日本の名門ラリーカーの魂も同時に見えたように思った。もちろん、トヨタと三菱の車両の話だ。この2社と言うと、目が点になるほど、ラリー界での地位が高いのに、それらの名誉を祝福するクルマがなかったのは、とても残念。

1990年代初頭のワールドラリー選手権では、トヨタ・セリカがチャンピオンシップを獲得したし、1999年にも、カローラがWRCの年間タイトルをゲットしている。そして、2018年からは、トヨタ・ヤリスが2回もWRCのタイトルを手にしている。また、ヤリスWRC仕様車のベース車となる市販車「GRヤリス」が、欧州で昨今、数々の賞を受賞しているのに、「AUTOMOBILE COUNCIL 2021」のようなショーでフィーチャーしないのは残念。また、三菱が1987年から2007年まで12回もパリ・ダカール・ラリーに優勝した経歴もあるのに、パジェロの展示がなかったのも残念だった。

スバルと日産のラリー車
スバルと日産の歴代ラリー車

正直なところ、マツダのルマン優勝、スバル、日産、トヨタ、三菱の素晴らしい実績の話をするなら、やはり、今からちょうど30年前にF1界を完全に制覇していたホンダにも触れなくてはならないだろう。やはり、僕としては、アイルトン・セナ選手が乗ったマクラーレン・ホンダのマシンが見たかったね。

さて、話を変えよう。「AUTOMOBILE COUNCIL 2021」のもう一つのテーマは、「世界の名車の取引」。なんと真っ赤な1億円のトヨタの2000GTや3500万円のダットサンZ432も目立ったけど、2200万円の日産スカイラインGT-R R32も注目を浴びていた。ちなみに、アメリカでは最近、1億2000万円で販売された2000GTもあったぐらいだから、日本車も海外でも1億円の価値がつく時代が到来したことをつくづく感じた。

ダットサン
3500万円のダットサンZ432

トヨタ2000GT
1億円のトヨタ2000GT

文=ピーターライオン

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