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一方、フィリピンと韓国は、EUの調査結果を受けて、60歳未満の成人についてアストラゼネカ製ワクチンの使用を一時停止する措置を取った。しかし韓国では、感染者数が1月初め以来となる高いレベルに達したことを受けて、政府は4月11日にこの方針を撤回し、30歳未満を除外した上で接種再開を決めた。

カナダは3月末の段階で、55歳未満の成人に対するアストラゼネカ製ワクチンの接種を一時停止した。これは、血栓についての報告を受けた予防的な措置で、規制当局が同社製ワクチンの接種に問題はないとする姿勢を表明してから1週間後の決定だった。

各国の規制当局は、アストラゼネカ製ワクチンの接種の一時停止や制限措置に踏み切った国も含めて、このワクチンのメリットおよび全般的な安全性を強調している。こうした姿勢は、厳密な医学的試験による検証のほか、新型コロナウイルス感染症からのリスクが、ワクチンによって起きうる副反応と比べて、相当程度に大きいとの判断によるものだ。EMAの言う「稀な副反応」として血栓が起きるとしても、このワクチンは安全な医薬品と考えられている。

EMAおよびMHRAの専門家は7日の時点で、血栓を引き起こす原因や、ワクチンと血栓の間に明確な関連があるか否かについては、いまだに不明確だと述べた。また、一般向けに出回っている他のワクチンについても、血栓との関連が指摘される可能性があるという指摘もある。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のイアン・ダグラス(Ian Douglas)教授(薬剤疫学専攻)は、「他のワクチンに関しても、『稀な血栓との関連がない』と断定できるわけではなく、あくまで現時点でそのようなエビデンスや事例が少ないだけだという点に留意する必要がある」と注意を促した。

MHRAによると、英国では2021年3月末日現在で、2000万回分のアストラゼネカ製ワクチンがすでに接種されたという。この時点までに、稀な血栓が発生した事例が79例報告され、そのうち19人が死亡したという。全体で見ると、このワクチンを接種した人100万人につき4人に血栓が発生した計算になる。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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