運動不足と新型コロナ 重症化や死亡率との強い関連性

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新型コロナウイルス感染症が重症化するリスク要因はこれまで複数特定されているにもかかわらず、他のあらゆる疾患のリスク要因として広く知られる運動不足はその一つとされていなかった。

同研究の共著者であるデボラ・ヤングは「この調査で最も驚いたのは、運動不足と新型コロナウイルス感染症の重症化の間のつながりの強さだ」と述べ、「肥満や喫煙などの要因を分析に含めた後でさえ、適度な運動をしていた場合、あるいは少しでも運動していた場合と比べ、運動不足は入院や集中治療室への収容、死亡の確率の大幅な増加と強く関連していた」と指摘した。

この研究は観察研究のため原因は特定できず、運動水準は患者の自己評価を頼りにしたもので運動強度もきちんと測定されなかったことは指摘しておくべきだ。とはいえ、運動には新型コロナウイルス感染症による重症化や死のリスクを下げる効果があるかもしれない。

研究者らは、定期的に運動することが「死亡を含め、新型コロナウイルス感染症の重症化や合併症を防ぐため、個人が実践できる最も重要な行動」かもしれないと示唆している。

サリスは「運動は、あらゆる人が取り入れるべき“薬”で、新型コロナウイルス感染症が流行する時代はなおさらだ。適度な速度で1日30分、週に5日歩けば、新型コロナウイルス感染症に対し大きな保護効果が得られるだろう」と述べた。

翻訳・編集=出田静

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