これを受けて、中国ではナイキに対する抗議の声があがると同時に、国内ブランドを支持する声が高まり、中国のシューズメーカーの株価が上昇した。中国のスポーツアパレル業界で、ANTA(安踏)やLI-NING(李寧)と並ぶ人気を誇る、「Xtep(特歩)」の運営元で香港市場に上場するXtep International Holdingの株価は、4月12日に15.2%の急騰となり、ここ2年間で最高値の5.99香港ドルを記録した。
これにより、Xtepの支配権を握る丁一族が保有する53%の株式の価値は10億ドルを突破した。2001年創業のXtepは、ランニングシューズやスポーツウェアを製造し、米国のNBAで活躍した林書豪(ジェレミー・リン)とも契約を結んでいた。
Xtepの株価は、ナイキがウイグル問題についてのコメントを発表する前の3月10日時点では、約3.45香港ドルだった。ナイキはその後、SNSでの反発や中国での不買運動に直面している。
中国の政府系メディアの上海日報(Shanghai Daily)によると、中国はインドに次いで世界第2位の綿花生産国であり、その生産量の90%近くを新疆ウイグル自治区が占めている。同紙によると、新疆ウイグル自治区の綿花の70%近くは機械で摘まれているという。
Xtepの競合のANTAやLI-NING、さらに361度国際(361degrees)の株価も3月中旬から上昇している。中国は現在、米国に次いで世界で2番目に多くのビリオネアを抱える国となっている。