HelloFreshの創業者でCEOのドミニク・リヒター(C)HELLOFRESH

食材の宅配サービスを提供するドイツ企業「ハローフレッシュ(HelloFresh)」の創業者でCEOのドミニク・リヒターと、ベンチャー投資家のローマン・キルシュらが設立したSPAC(特別買収目的会社)の「Tio Tech」が米ナスダック市場に上場し、3億ドル(約326億円)を調達した。

Tio Techは今後、欧州のテクノロジー企業を買収し、上場させようとしている。

リヒターは、ベルリン本拠のハローフレッシュを2017年にフランクフルト証券取引所に上場させていた。彼は、Tio Techがコンシューマーテックやフィンテック、SaaS、メディア企業の買収などに重点を置くと述べている。

SPACとの合併による上場は、通常のIPOと比べて手数料や手間を大幅に削減し、創業者がすみやかに資金を調達することを可能にする、とリヒターは述べている。

「SPACとの合併による上場は、後発の成長企業にとって非常に現実的な選択肢になった。私はハローフレッシュを上場させた経験から、従来のIPOプロセスには時間がかかりすぎ、少なくとも6〜9カ月は会社経営に支障をきたすと考えている」と、リヒターは述べている。

昨年は数百社のSPACが上場し、798億ドルの資金を調達したとされている。英国の電動トラック企業のアライバル(Arrival)や、中古車ポータルのCazooもSPACとの合併で上場を果たしている。さらに、米国で上場している少なくとも2つのSPACが、欧州のテクノロジー企業との合併を模索中だ。

ベルリン在住の起業家で投資家でもあるキルシュと、リヒターらは単に資本を提供するだけでなく、上場したばかりの企業の成長を支援していくと述べている。

「私たちのSPACは、欧州の起業家たちに資本へのアクセスを提供し、上場後の会社の運営の仕方を教えていく」とキルシュは述べた。

ハローフレッシュは、ベルリンから数多くのスタートアップを送り出す、ロケットインターネットからスピンアウトした企業で、ミールキットデリバリー市場でBlue Apronやアマゾンとの戦いに勝利した。

フランクフルト証券取引所に上場している同社の株価は、欧州での好調な需要を受けて、過去最高の水準にある。リヒターは、昨年12月の報告書によると、149億ドルの時価総額を誇るハローフレッシュの発行株式の5.6%を保有している。

編集=上田裕資

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