Groverは、すでにドイツ、オーストリア、オランダで16万5000人の顧客を抱えており、小売店パートナーからガジェットをレンタルできるサービスを展開中だ。ベルリン本拠の同社は、5300万ドル(約58億円)の資金をJMS Capital-EverglenやViola Fintech、Assurantなどから調達し、1700万ドルをデットで調達した。
Groverの創業者でCEOのMichael Cassauは、「当社のハードウェア・アズ・ア・サービス型のビジネスモデルは、人々に借金を負わせるのではなく、役に立たなくなった製品を返却可能にし、フレキシブルなライフスタイルを可能にする」と述べている。
Cassauによると、今回のシリーズBの調達資金はGroverの米国およびスペインへの進出、既存市場での成長、そして独自の金融サービス商品の開発のために用いられるという。同社は返済能力が証明されている顧客に低金利でローンを提供することや、複数のガジェットを利用する顧客に、キャッシュバックを行うことを検討中という。
サーキュラー・エコノミー(循環型経済)というコンセプトは、ファッション業界にも浸透しており、Rent The Runawayを筆頭に新たなスタートアップが登場している。しかし、このモデルを一般消費者向けのガジェットに適用するGroverは、逆風に直面する可能性がある。同社は、独自の分割払いプランを提供するアップルのような巨大企業や、後払い型のサービスを提供するフィンテック企業のKlarnaやAffirmと競合する可能性もある。
「Groverは、後払いサービスを必要とする人や現金支出を抑えたい人、借金をしたくない人のための代替手段となる。KlarnaやAffirmの場合、顧客がサービスを使い過ぎて、大きな借金を背負ってしまう可能性がある」と、Cassauは話す。
Cassau はロケットインターネットに勤務した後、2015年にGrover を設立し、2018年のシリーズAで3100万ドルを調達し、2019年のプレシリーズBラウンドで4500万ドルを調達した。同社の既存出資元としてはAugmentum FintechやCircularity Capitalm、Seedcamp、Samsung Nextなどが挙げられる。