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服のリサイクルによるサーキュラーエコノミーの実現


もう一つの大きな特徴は、リサイクルだけではなく、プロダクトマーケティングを行っている点にもある。まず、北九州にある自社工場で服のリサイクルを行い、ポリエステルを生産。次に繊維を服として製品化し、販売へ。さらに、使われなくなったら再び回収するということをワンストップで行っている。賛同企業は100ブランドに及び、店舗の店頭には、不要となった服の回収ボックスが置かれている。

「いらなくなった服を持ってきたら1000円割引券配布するなど、必ず商品の購買を紐づけています。そうすることで、販売店にとっては、不要となった服を回収してもらう目的で顧客が店舗を訪れることと、売り上げが上がるとう二つのメリットがあるのです」(中村)

実際、従来型の割引クーポンより、服の回収時に配布するクーポンの方が使用率が高い。地球にやさしく経済も循環するサーキュラーエコノミー(循環型社会)を実現させた形だ。こうした取組は新型コロナウイルスの影響で社会貢献意識が高まっている企業の注目を集めている。

製品化されたTシャツ。普通と変わらない

BRING Technologyとスポーツ


この流れはスポーツチームにも影響を及ぼしている。チームから不要になった服の回収とリサイクルによる服づくりに関する問合せが増えているという。

当初、選手は練習着を多く使うためこのユニフォームをリサイクルしようと考えていた。しかし、スポーツチームには多くのファンがいる。選手のユニフォームに限らず、ファンが不要になった衣類も一緒に集めて再生することを目指した結果、選手とファンの衣類が一体となった新ユニフォームが開発され、ファン心理に添った取組となった。このアイデアはグッズの購買意欲向上にもつながっている。

また、新たに生み出される服にもこだわりがある。本来、衣類としての着心地はポリエステルよりは綿の方が快適な場合が多い。こうした理由から織り糸の長さを調整し、綿の着心地でポリエステル100%という機能性の高いTシャツ・スウェットを生み出した。着用時には汗を溜めることもなく、洗濯をしても速乾性がある。今後は、スポーツ大会で不要になった服の回収を行い、大会で配られる記念ウェアの製造にも取り組んでいきたいという。

服の回収からリサイクル、販売を担うリーディングカンパニー


「我々のリサイクルが絶対正しいという考えではありません。あくまでも服全体をリサイクルすることが目的です。着られるものはリユースや寄付をする。それができないものは資源に回し、原料としてリサイクルをするということを行っています」(中村)

笑顔で話す中村の様子

日本環境設計は、工場を持った以上、自分たちの責任として最終製品の販売を拡大しなければいけないというミッションを感じている。

「服の回収もリサイクル工場も最終製品の製造も全てできるモデルをもっと大きくしてくことが、社会的責任だと考えています」と。そのために、自社がパイオニアとなり、後続が続くようなマーケットを創り上げていきたいという。服の回収とリサイクル、さらに販売を行うサーキュラーエコノミーのリーディングカンパニーとしてさらなる高みを目指す。

文=上沼祐樹

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