いまだに根強い更年期のタブー視、従業員支援に乗り出した企業も

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月経がある女性は、平均で45歳から55歳の間に更年期(月経閉止期)を迎える。だが、閉経移行期と呼ばれる、更年期に至る変化が始まる時期は、人によっては30代から始まる場合もある。

個人差はあるものの、毎月の排卵が停止に向かうと同時に、更年期と関連したさまざまな症状が起きる可能性がある。具体的には、ホットフラッシュ(体のほてりや発汗など)や不眠、気分の落ち込み、不安感などが挙げられる。

閉経移行期や更年期は、誰の体にも訪れるごく自然な変化だ。しかし、複数の国を対象とした調査によると、更年期に関連した症状を経験した人のうち3分の1が、職場ではその事実を伏せていたことが明らかになった。

調査回答者からは、更年期について話すことに気まずさを感じる、あるいは、更年期を迎える時期の人たちに対してさらなる支援が欲しいといった声が聞かれた。

今回の調査は、英通信会社ボーダフォンの依頼を受けて、調査企業オピニウム(Opinium)が、閉経の時期における職場での行動について尋ねたもので、スペイン、イタリア、ドイツ、英国、南アフリカに住む合計5000人以上が回答に応じた。

調査では、全体の33%が「過去に職場で更年期に関連した症状を隠した経験がある」と述べた。また、全回答者の半数以上が、「更年期やその症状についてオープンに話すことをいまだにタブー視する気持ちがある」と答えた。こうした意識から、「気まずさを覚えて、職場で支援を求めるに至らなかった」と答えた人の割合は、英国在住の回答者では43%に達した。

更年期に伴う症状は、人によっては非常に重いものとなり、仕事に支障をきたすケースもある。体に変化が起きている最中には、心身の状況を前もって予測するのも難しい。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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