I'm a retail junkie who loves to see who is doing what.

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ゴルフ業界にとって、今は低迷期のはずだった。ミレニアル世代はゴルフを好まず、もっと社交性を志向した活動を求める。プロゴルフ界のレジェンド、タイガー・ウッズはキャリアの晩年を迎えており、ツアーに新しい顔は誕生していない。さらに、都会的ライフスタイルが普及し、自動車の所有率が下がったことで、郊外のコースやクラブへのアクセスのしづらさが、初心者にとってハードルになりつつある。ゴルフは斜陽産業だと誰もが言っていた。

だが、それは間違いだった。

パンデミックがもたらした意外な影響のひとつとして、ゴルフが劇的な復活を遂げている。ソーシャルディスタンスを保った野外活動というフォーマットに加え、都市生活に見切りをつけて郊外に移住する人々が増えていることが追い風になった。ディックス・スポーティング・グッズなどの小売店は、ゴルフのカムバックという波に乗り、このジャンルの強化に力を入れている。

ゴルフの復活は、期待をはるかに上回るものだ。

市場調査リポートの販売サイト「ResearchAndMarkets.com」で入手できる「ゴルフ用品市場のグローバルな予測と展望:2020-2025(Golf Products Market - Global outlook and Forecast 2020-2025)」によると、ゴルフ業界は2025年まで年平均成長率(CAGR)3%で成長する見込みだ。同リポートは、このビジネスを牽引する、パンデミック以前から存在していた要因をいくつか挙げている。具体的には、「ファンのエンゲージメントを高める視聴形態の変化、新製品開発の加速、ゴルフツーリズムの人気、ゴルフイベントの増加による成長」だ。

パンデミックにより、バスケットボールやテニスといった屋内で行われることの多いスポーツ活動が妨げられるなか、体を動かせて、ソーシャルディスタンスを維持でき、かつ自然のなかで過ごせる活動を求める人々がゴルフに目をつけるという理想的な状況が生じた。これが最近の成長の重要要因であることは間違いない。

急成長を裏付けるのが、ゴルフギャラクシー(Golf Galaxy)チェーン98店舗を展開するディックスだ。同社はこのほど、2021年4月中に9店舗をリニューアルオープンし、年内にさらに店舗のアップデートを進める予定だと発表した。「没入型ゴルフ体験」を謳う新店舗では、シミュレーターの導入、プロゴルファーによる店内レッスンの開催、用具やアパレルなど商品の拡充を進めている。

ディックスのプレジデントとCEOを兼任するローレン・ホバート(Lauren Hobart)は先日の収支報告で、「我々のゴルフビジネスはきわめて好調だ」と述べた。「温暖な地域の市場では、パンデミックの間ずっと好調を維持し、全米でも全体的に伸びつづけている。わが社は、プレイ人口の増加やその他の好ましいトレンドを収益につなげるうえで、きわめて有利な立場にある」

先述の市場調査リポートによると、ゴルフ業界の全売上にeコマースが占める割合は、2019年の時点でわずか7%と推定されている。購入プロセスの大半を対面式が占めていることを考慮すると、他の消費財ほどの急成長は見込めないだろうと、同リポートは予測している。ただし、これは新型コロナウイルス感染症が流行する前の話であり、ステイホームが常態化するなかでビジネスのオンライン化が進んだかどうかはまだ明らかになっていない。

とはいえ、ゴルファーがどこでゴルフ用品を購入していようと、現在の状況は当分のあいだ続きそうだ。ゴルフ人気は長続きしそうに見える。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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