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彼は「自分の芸術を真に理解できるのは数学者だけである」という言葉を残しています。私の解釈では、『モナ・リザ』とは、人々をつなぐ普遍的な方程式だと思います。

『モナ・リザ』は当時の美の基準で見ても美女ではない。歳もわからないし、聖女でもない。超遠近画法を使って、後ろの背景がストーンと飛ぶことで、人と対峙するという感じがすごく臨場感を持って出る。

スフマート画法(ぼかし技法)によって、時間の概念が飛んで、微笑みが漂っているように見える。こうした中で絵と向き合って微笑みが結ばれた時に鑑賞という行為が完成します。

これから何千年経た人類にとって普遍的なものは何でしょうか。これまで人類が文明を築き上げたとき、文化や社会を作る時、常に必要とされるものが人々を結ぶことです。

どんなに社会が変わっても、最も重要なことの1つは「微笑みで人々をつなぐ」こと。これは人類にとってある種普遍の価値といえます。そうした普遍に1つの形を与えたのが『モナ・リザ』だと考えています。

自分なりの普遍を表現する


自分もこういう仕事がしたいと思いました。今、ダ・ヴィンチが生きていたら油彩画の『モナ・リザ』を描かないと思います。おそらく違うアプローチで、彼なりの普遍を表現したでしょう。

私はダ・ヴィンチにはなれないですが、現代で言えばそれは1人で作るものではなくて、皆で一緒に作るものだと考えています。

それは未来社会のデザインかもしれません。Better Co-Beingは新しい社会を創るために、人々と対話するための考え方です。「その先の世界を見たい」と思う皆様との共鳴を通して、未来を拓いていきたいと思います。


みやた・ひろあき◎2003年3月東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程、同分野保健学博士修了。09年4月より東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座准教授。14年4月より同教授、15年5月より慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授

文=宮田裕章 、写真=ヤン・ブース、ヘアメイク=今村麻里子、衣装協力=ユーモレスク

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