バイデンの「法人税率28%に引き上げ案」にCEO団体が猛反発

Amr Alfiky-Pool/Getty Images

バイデン大統領の野心的なインフラ計画が民主党の最重要議題となる中、経済団体のビジネス・ラウンドテーブルの新たな調査で、CEOの98%が、この計画に含まれる法人税率の28%への引き上げが、自社の競争力を低下させると考えていることが判明した。

今回の調査は、バイデン政権の法人税の増税に断固として反対する米国のCEOの組織のビジネス・ラウンドテーブルが、増税を阻止するために数百万ドル規模の広告キャンペーンを準備している中で行われた。

調査に回答した178人のCEOの75%が、増税によって自社の研究開発への投資に悪影響が出ると回答した。また、71%が増税は雇用に悪影響を与えると回答した。

防衛及び航空宇宙事業を展開する多国籍企業レイセオン・テクノロジーズのCEOのグレゴリー・ヘイズは、「パンデミックからの回復に向けて、競争力のある税制を維持することは、米国経済を再活性化させ、米国人に多くの機会をもたらすために必須のことだ」と述べている。

バイデン大統領は先週、「フォーチュン500企業のうち、51社か52社が過去3年間の間、全く税金を払っていない。今こそ現実を直視すべきだ」と述べた。

米国税制・経済研究所の分析によるとフォーチュン500またはS&P 500指数に含まれる企業のうち55社が、2020年に法人所得税を支払っていなかった。

バイデン大統領は、昨年の大統領選挙で法人税率を21%から28%に引き上げるなど、大企業や富裕層への増税を公約に掲げていた。これらの増税を財源として、バイデン大統領は2兆ドル(約220億円)規模のインフラ計画を実行に移し、米国のインフラを近代化し、製造業を活性化させ、雇用を創出することを目的としている。

共和党はバイデンの計画に反対している。さらに、「民主党内のバイデンの敵」と呼ばれるウェストバージニア州のジョー・マンチン議員も28%ではなく25%への引き上げが望ましいと述べている。バイデンは先週、公約に掲げた28%からの引き下げについて「喜んで交渉する」と発言したが、それは別の財源が見つかればの話となっている。

バイデンは今後、超党派の議員グループと会合を持ち、インフラ計画について話し合う予定だ。

編集=上田裕資

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