自動運転ロボットによるピザ宅配が始動、ドミノとNuroが提携で

Chris worldwide / Shuttterstock.com

米国のドミノ・ピザと宅配ロボットを開発するスタートアップNuro(ニューロ)は今週、ヒューストンでロボットによるピザ配達のパイロットプログラムを開始する。

このプログラムは、ヒューストンのウッドランドハイツ地区のドミノの1店舗で実施され、オンラインで前払い注文をした顧客の家に、トースターのような外観のロボットカー「Nuro R2」がピザを宅配する。顧客には注文内容と車両のロックを解除するためのコード番号がメールで通知され、車両が到着した際には、そのコードでロックを解除する。

ドミノのチーフ・イノベーション・オフィサーのデニス・マロニーは、「宅配ロボットを活用したデリバリーについては、当社が学ぶべきことがまだ多い。このプログラムを通じ、顧客の反応やロボットとの関わり方、店舗運営への影響などをより深く理解していく」と述べている。

Nuroは2019年にウォルマートと提携を結んだ後、クローガーやCVSとも同様な取り組みを進めており、ドミノとのプロジェクトはそれに続くものだ。グーグルの自動運転車プロジェクトの元メンバー2名によって設立されたNuroは、自動運転関連の企業の中でも最も資金力のある企業の一つに挙げられる。

Nuroは、2019年2月にソフトバンクとグレイロック・マネジメントの主導で9億4000万ドルを調達しており、先月はさらにトヨタのウーブン・キャピタルとチポトレから5億ドル(約548億円)を調達していた。

アルファベットのウェイモや、GMのクルーズなどの競合とは異なり、Nuroはロボットタクシーではなく、配送やロジスティックスにのみに注力している。同社のロボットカーR2は、荷物や食料品などを運ぶために設計されており、従来の自動車の約半分の大きさで、比較的低速で走行する。

R2は、ステアリングホイールやブレーキ・アクセルペダルといった従来の運転操作を必要とせず、公道を走行できる無人運転車として、米国で初めて承認された。

ドミノは、売上高で世界最大のピザ会社であり、全世界で1万7600以上の店舗を展開している。

編集=上田裕資

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