コロナ感染の2つの波を抑えたカナダ、変異株の脅威に直面

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カナダは国民皆保険制度を導入しており、寿命は長く、健康関連の生活の質も高い。米国からみれば、医療に関してはうらやむべき存在だ。だが、新型コロナウイルスのワクチン接種については、カナダの方が米国をうらやましがっているだろう。

カナダの各州のリーダーたちは、多くが積極的な対策を講じておらず、対応は後手に回ってきた。つまり、彼らは一貫したアプローチを取ることができず、ロックダウン(都市封鎖)をしても(リバウンドを繰り返す)ヨーヨー現象を招いてきたということだ。

そして、中でも注目すべき点は、カナダのすべて州が問題を抱えているわけではないということだ。沿海州は引き続き、感染拡大の抑制に成功。これら各州の間では、(感染を抑えられている国や地域間で自由な移動を認める)「トラベルバブル」を作っている。

これは、ニュージーランドなど感染を収束させた後に、生活の再建を目指す「ゼロコロナ」政策を実施し、それが概ね機能している各国を参考にしたものだろう。

カナダでは、感染を抑え込むためのより厳格な措置を求める人たちと、自由放任主義の人たちの政治的な分裂も発生している。ワクチン接種を促すためのキャンペーンが不十分なこと、感染拡大の抑制に向けた戦略が一致していないことが、新型コロナウイルスとの戦いにおける同国の前進を妨げている。

編集=木内涼子

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