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先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま


さらに、この機能をアピールするために、有名タレントを起用して、ブラジルの議会周辺で政治家たちとセルフィーを撮ったりもした。そうした活動も含めて、この企画はメディア費ゼロで、1億2000万人の国民に影響を与えたという。

もちろん、こうした試みには注意も必要だろう。もし万一、誤った情報によって自分の顔に「Color of Corruption(腐敗の色)」が付けられてしまったら、政治家たちもたまったものではない。しかし、当該アプリの場合は、「公式記録」を元にしているというので、そのあたりはきちんと担保されていると考えられるだろう。

「身体化」という視点でチャレンジ


この汚職検出アプリから学べることは、「データの身体化」とでも呼び得るものだ。

データ技術は大変な勢いで進歩しているが、その多くは、ごく普通の人間には扱いにくいものだ。筆者を含め、多くのデータに弱い人たちは、目で見て感じてわかる形(筆者はこれを「身体化」と呼んでいる)にならないと活用できない。

昨今のわれわれのコロナ禍での生活においても、感染症予防において、マウスシールドはあまり役に立たず、布マスクもいま一歩の効果で、不織布が最も効果的であるという事実は、スーパーコンピュータによるシミュレーションの鮮やかな視覚化(身体化)によって、初めて一般化したと言える。

もう1つ、地味だが重要な点は、公式記録を整備したデータベースの作成に、リクレイム・アキ社が数カ月をかけている点だ。データやテクノロジーの活用は先進的でスマートな印象があるが、その大本を支える地味な作業をおろそかにしては、大きな効果は期待できない。

皆さんが抱えている課題に対しても、データ&テクノロジーという観点、それらの身体化という視点でチャレンジしてみることで、新たな地平が見えてくるかもしれない。

連載:先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま
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文=佐藤達郎

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