Anuradha Varanasi is a freelance science writer.

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南カリフォルニア・パーマネンテ・メディカル・グループ(SCPMG)の医師らは、マイクロアグレッション(マイノリティーに対する日常的な何気ない言動による差別)が非常にまん延していることを報告した。マイクロアグレッションは、医師の間で燃え尽き症候群の罹患(りかん)率が高いことと結び付けられてきた。

昨年1月・2月に行われ588人が回答した調査では、91%の間で性差別的なマイクロアグレッションが、84%で人種・民族差別的なマイクロアグレッションが見られた。調査の結果は先日、米国医師会雑誌(JAMA)のJAMAサージャリーに掲載された。

マイクロアグレッションは、女性やBIPOC(黒人・先住民・有色人種)、LGBT(性的少数者)に対し、言語・非言語的な方法で伝えられる日常的な侮辱や何気ない失礼な振る舞い、ネガティブな態度、偏見と定義されている。

「数千もの切り傷による死」と説明されるマイクロアグレッションには、意図的なものもあればそうでないものもある。マイクロアグレッションの悪影響は深刻で、長期的な心理的ストレスを生むものだ。

論文の主執筆者で、SCPMGの女性骨盤医療・再建手術科のネハ・スドル博士と研究者のチームは、職場でマイクロアグレッションがもたらす悪影響に関するデータは存在するものの、マイクロアグレッションが医師の燃え尽き症候群に果たし得る役割について調べた研究が不足していると指摘している。

医師の燃え尽き症候群は世界的な危機に発展していて、罹患率は80%に上るとされている。研究者らは同調査で、医師の47%が燃え尽き症候群を経験していることを発見した。

燃え尽き症候群が広くまん延していたのは、眼科医、泌尿器科医、婦人科医だった。また、燃え尽き症候群の割合が少なかったのは、形成外科医と麻酔専門医だった。

調査に参加した588人の回答者中、249人の女性医師が性差別的なマイクロアグレッションを報告した。また299人は、人種・民族に関連するマイクロアグレッションを経験したと答えた。全回答者のうち62%は自分が白人以外だと答え、最も多い人種グループはアジア系だった。

研究ではさらに、最も一般的なマイクロアグレッションの形態がインバリデーション(価値否定)であるとされた。これは例えば、女性医師が病院で女性に関する性差別的な言葉を耳にしたり、そうした画像・映像を目にしたりすることを意味する。

翻訳・編集=出田静

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