コロナ禍の米国、懐かしのコメディー番組の人気が復活

ドラマ「フレンズ」 (c) Getty Images

新型コロナウイルス感染症の流行により米国で外出ができなくなると、退屈しのぎのためにストリーミングとビデオゲームが人気の活動となった。

人々が、迫り来る不安な時期に備えトイレットペーパーを買い占めていた当時、『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』のような新番組が非常に大きな人気を博した。一方、大半の視聴者は少しでも前向きな気持ちになろうと懐かしのコメディー番組を視聴したことから、昨年は昔の人気番組が大きな復活を遂げた。

米調査会社ニールセンの調査によると、米国では昨年、全国テレビ放送のコメディー番組の視聴時間が約1兆3000億分に上った。コメディー番組全体としての人気は9%下がったため、昨年は特に大当たりの年ではない。とはいえ厳しい1年となった昨年は、現実逃避としてお墨付きのコメディー番組が米国で人気を集めたことがデータから明らかだ、とニールセンは述べている。

懐かしのコメディー番組が複数の経路で配信されていたことも追い風となった。視聴者の間で特に人気だったのが『フレンズ』だ。

米国では昨年、『フレンズ』が970億分近く視聴され、2020年に最も視聴されたコメディー番組となった。コメディー分野全体の視聴率低下もかかわらず、『フレンズ』の試聴時間は2019年と比べて30%増えていた。

米国で昨年、2番目に視聴時間が多かった懐かしのコメディー番組は『アンディー・グリフィス・ショー(The Andy Griffith Show)』で、視聴時間は約580億分だった。3位は『ロザンヌ』で約200億分だ。最も視聴時間が伸びたのは『ファミリー・マターズ(Family Matters)』で、増加率はなんと392%だった。

また、2020年に最もコメディー番組の視聴時間が多かった都市はペンシルベニア州ピッツバーグで、1人当たりの年間平均視聴時間は126時間だった。

コロナ禍の米国で視聴時間が多かった懐かしのコメディー番組は次の通り。(かっこ内数字は、1つ目が総視聴時間で、2つ目が2019年と比べた増加率)

1位 『フレンズ』(970億分、30%)
2位 『アンディー・グリフィス・ショー』(583億分、29%)
3位 『ロザンヌ』(201億分、70%)
4位 『ファミリー・マターズ』(114億分、392%)
5位 『ジョージ・ロペス』(110億分、113%)
6位 『アイ・ラブ・ルーシー』(93億分、8%)
7位 『フルハウス』(72億分、35%)
8位 『グッド・タイムズ(Good Times)』(69億分、24%)

翻訳・編集=出田静

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