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業態変更とも言えるMERYの変革は、メディア業界に光をもたらすか

月間ユーザー440万人を抱え、アプリとウエブサイトを合わせ、月間1億4440万PVを達成するまでに成長した女性情報発信サイト「MERY」。2017年11月に新生MERYとしてリスタートし5年目を迎えた今年4月、専属ライター100人体制で情報を発信していた従来のスタイルから脱却し、課金制のオンラインコミュニティサイトへと新しく生まれ変わる。

躍進を遂げる中、既存メディアの体裁をやめるともとれる大胆な方針を決定したMERY。業態を転換するわけは? MERYが目指す世界とは…? 担当者に話を聞いた。

MERYが目指す「脱・情報配信ビジネス」の中身


「女の子の毎日をかわいく」をコンセプトに、20代の女性を魅了しているMERY。ファン獲得の起爆剤となっているのが、MERYファンの女子学生たちを中心とする「公認ライター」100人が発信する1日平均80本程の記事だ。アプリを開くたびに、スキンケアやデート服アイテム、家での時間の過ごし方など、好きを後押しする記事がアップデートされている。

その発信力、さらに「等身大の気持ちをわかってくれる」同世代感覚を大切にした記事に、女性たちは惹きつけられている。

そうしたMERYの中核でもあるアプリ型の記事配信を5月で打ち切り、ユーザー参加型のコミュニティと従来のメディアはウェブ展開に集約、軌道転換する。企業として目指す方向を具現化して誕生したウェブサイトは「アップデート・マイ・ハピネス・コミュニティ」のテーマを持つ。

自分らしい幸せのアップデートのための場を提供するコミュニティへとブランディングをアップデートし、4月20日にスタート。と同時に、新たな有料会員制コミュニティサイト「MERY &(メリーアンド)」も立ち上げる。今回の大胆な新方針に、ファンをはじめメディア業界も驚きを隠せないはずだ。

実際、収益の柱である記事のタイアップビジネスは好調で、この3、4年間の売上は右肩上がっていた。

MERYブランド・スタジオ部長の増田みずきは、同社が決断に至った経緯について「この4、5年の世の中の環境の変化、例えば、InstagramやYouTubeが非常に力をつけていて、個人が発信することがスタンダードになっていった。メディアという形だけで生き残るのは厳しいだろうなと、ずっと今後のビジネスの形を考えていたのです」と話す。

MERY増田の写真
MERY ブランド・スタジオ 部長 増田みずき

そもそもオンライン広告市場では運用型のシェアが伸びているうえ、タイアップ広告は現在は収益の柱であっても今後もそうである保証はない。コロナ禍によって影響を受けたのはMERYも同じだ。ビジネスモデルとしてメインに置くのはリスキーではないかと考えているのだ。

「むしろ、今まで培ってきた知見を商品やサービスに転嫁してコンサルティングのようなビジネスも拡大できると考えています」という。大きな変革へ踏み出す決断がコロナ禍によって加速したイメージだ。

20代のユーザーと双方向型ビジネスへブランディング


企業として目指す方向を具現化して今回誕生したのが、新しいコミュニティサイト「MERY &」だ。「自分らしい幸せのアップデートのための場」を提供するコミュニティサイトへとブランディングをアップデートし、4月20日にローンチする。

文=中沢弘子 編集=Forbes JAPAN 編集部 写真=西川節子

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