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2021.04.10

クーパン上場、実はユニコーン輩出国? 韓ドラと比較する韓国スタートアップ事情

韓国では、若手起業家のスタートアップ界隈が盛り上がっている(Shutterstock)


実際に、韓国の大手銀行「ウリ銀行」によって、ハッカソンが2021年4月30日から5月3日まで開催される予定だ。ウリ銀行はスタートアップ支援事業を手がけている企業の一つである。韓国メディア「オピニオンニュース」によると、「プロジェクトブルーアワー」という名で、創業前のアイデア出しの段階から、ユニコーン企業に成長するまでの技術開発や投資など、スタートアップにまつわる全ての過程をサポートする。

大会ではいくつかの審査を経て、10チームを選抜し、総額2000万ウォン(約195万円)の賞金を授与する。今年の大会のテーマは「デジタル金融をリードする革新的なサービス」だ。参加者は、ウリ銀行のAPIと、アマゾンのWebサービス(AWS)の人工知能(AI)技術などを活用し、さまざまなサービスの開発を進めることになる。参加者のアイデアが実際に結果につながるよう、それぞれに関連した教育もオンラインで提供される予定だ。

ドラマ「スタートアップ」で主人公ダルミたちがうまくハッカソンを切り抜け、報酬としてオフィスを与えてもらったように、勝利を勝ち取ったチームは開発環境をサポートするための技術開発のスペースを提供してもらえる。このように、ウリ銀行を筆頭にリアルでも、韓国では大企業によるスタートアップを支援する事業が立ち上がっている。

繋げる、支援する、スタートアップのサイクル


ダルミたちが参加したようなスタートアップ大会のように、世界の4大スタートアップ祭りと呼ばれる「カムアップ(COMEUP)2020」もある。昨年11月19日から21日までの3日間、オンラインが主となり、韓国の支援団体KISEDによって開催された。他国ではコロナショックにより、ほとんどスタートアップの大会が中止されたり規模が縮小されたりした一方で、韓国では、2016年の初の開催以来、歴代最も多くの2648チーム(118カ国)が申請したことで、世界のスタートアップ業界で話題になった。



このほか、韓国にはスタートアップを実質的にサポートするデモデー(DEMODAY)という会社もある。デモデーは、スタートアップの成長支援だけでなく、海外進出やイグジットまで伴走し、様々なパートナーとすべての過程を網羅した支援プラットフォームを構築している。
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文=裵麗善/Ryoseon Bae

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