ビジネス

2021.04.10

クーパン上場、実はユニコーン輩出国? 韓ドラと比較する韓国スタートアップ事情

韓国では、若手起業家のスタートアップ界隈が盛り上がっている(Shutterstock)


作中では、ダルミは投資家でありメンターであるハン・ジピョンと二人三脚で、チームと事業を成長させてきた。投資家ジピョンの知見がなかったら、なし得ることができなかったことだろう。良いメンターを持つということが、いかにスタートアップにとって重要かを物語っていた。

実際に、1万社以上ものスタートアップがデモデーのサービスに登録している。スタートアップを対象にしたアンケート調査や、様々な経路を介して収集された意見をもとに、スタートアップのコスト削減と売上増大のための「支援プログラム」を提供しているのだ。

また、採用、広報、投資、創業ネットワークなどのサービスも手がけている。数あるスタートアップたちを「ランキング化」することで、有望なスタートアップを投資家やマスコミ、大企業などに継続的に繋ぐ役割を担っている。

デモデーに登録し、会社に関する情報を定期的に更新すると、データの内容次第でランキングが上がる仕組みとなっている。上位ランクになると、メディアや投資家の目にとまり、自然と自らの会社を魅せることができる仕組みだ。

スタートアップと投資家を繋げるサービス。現実社会でも韓国では、あらゆる形で未来を担う若者たちを応援する風が吹いている。

韓国スタートアップは今後も注目に値するのか


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先月ニューヨーク証券取引所に上場し、話題となったクーパン (Shutterstock)

ドラマでは、主人公を筆頭に起業を志す若者たちが、資金調達に励んだり世の中の理不尽とぶつかったり、悪戦苦闘するシーンが多くある。ひたむきにビジネスを愛し、次々と壁を乗り越える韓国の若者たちの姿に、視聴者たちも自分自身や手がける事業と重ねずにはいられなかったのではないだろうか。

インドやベトナム、中国、インドネシアなど東南アジアの国々がスタートアップの聖地として注目される一方で、隣国である韓国も、ビジネスパーソンたちと投資家たちの「ネットワーキング」の場や、資金調達を賭けた大会、起業家のための支援事業など、世界を見習って市場として成長させようとしている。

5年後10年後のアジアのスタートアップ勢力図は、一体どのように変化しているのだろうか。韓国がひとつの注目株であるのは間違いないだろう。


連載:Z世代が深掘り「トレンドxビジネスの世界」
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文=裵麗善/Ryoseon Bae

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