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2021.04.16

常勤講師もいない、教科書もない、正解もひとつではない。Hyper Islandが私たちに伝えるデジタル社会を生き抜くスキル

北欧発「デジタルのハーバード大学」と呼ばれるHyper Island。デジタル時代に適応する人材を輩出すべく、デザイン、テクノロジー、ビジネスを融合したクリエイティブビジネススクールだ。ストックホルムを拠点に、イギリス、ニューヨーク、サンパウロなど、世界各国に8つの拠点をもつ。アジアの拠点であるシンガポールではHyper Islandのプログラムを採用した企業に政府からの補助金制度があるほど、大きな存在感を放っている。

そして2020年11月から、日本で初のオンライン・オープンコースが開始された。その立役者の一人、森杏奈は元グラフィクデザイナーの肩書きをもつHyper Islandのラーニングデザイナーだ。「傍から見ると変化しているように見えますが、自分の中ではつながっているんです」と話す。森杏奈は、デザインがもつ可能性や領域の広さを意識したころにHyper Islandのプログラムと出合い、生涯をかけられるほどの大きな可能性を感じたという。

同プログラムは私たちにいかなる衝撃を与えるのか?異彩のビジネススクールの全貌をひも解いた。


Hyper Islandがもつ3つの哲学


1996年、Hyper Islandはスウェーデンの南に位置するカールスクローナの小さな島で創立された。シンガポールのアカデミックディレクターを務めるジョナサン・ブリッグスは、創立者の一人。彼はもともと大学教授としてコンピューターサイエンスの指導にあたっており、1990年初頭にはAI開発にも携わるなどマルチメディアの先駆者として活躍していた。その後デジタルエージェンシーを起業するも、人材不足に頭を悩ませていたという。森杏奈はブリッグスの想いをこう代弁する。

「ブリッグス曰く、エンジニアはデザインが分からない、デザイナーはビジネスやテクノロジーが分からない、ビジネスマンがデザインやテクノロジーを知らない、と。彼は考えが狭い人々を生み出す傾向にある従来の教育に、強い不満を抱いていました。物事が急速に変化する昨今、社会課題の解決について考えるには異なる視点をもつ人びとのチームと情報に基づいた判断が不可欠です。こうした背景から、Hyper Islandのプログラムにはテクノロジー、デザイン、ビジネスのすべてが融合されています」

Hyper Islandに用意されているプログラムは幅広い。まずフルタイムとパートタイムがあり、そのなかには数時間で終了するプログラムから、5年かけて実施するプログラム、週末コースや夜間コース、対面やオンラインまでさまざまだ。その内容も多岐にわたるが、大枠としては「ファシリテーター」と呼ばれる進行役のもと、提示される課題に対し、参加者は個人あるいはチームでデータやツールを駆使し、課題解決に取り組んでいく。


Hyper Island ラーニングデザインディレクター(TDS) 森 杏奈

こうしたHyper Islandを形づくる3つのポリシーを教えてもらった。

まずは「常勤講師」が存在しない。特定の分野に特化した講師がいても、その専門知識は3〜4年で風化してしまう。専門家は必要に応じて招聘し、唯一常勤しているのはファシリテーターのみ。彼らはHyper Islandの活動の中心であり、学習者に答えを与えるのではなく問題を探求するよう指導する立場だ。そのバッググラウンドは幅広く、森杏奈をはじめとしたファシリテーターは、「Hyper Islandの哲学に強く共感する」という共通項以外は、年齢もキャリアもバラバラだ。

次に、「教科書」がない。Hyper Islandが取り扱う教育内容においては、教科書は出版された時点でその内容はすでに劣化していると考えられている。ゆえに教科書という概念が存在せず、プログラムは日々変化し続ける方針が徹底されている。

そして「learning-by-doing(実践しながら学ぶ)」。知識・スキルの習得スピードを上げるために、「learning-by-doing」をプログラムに融合させている。インプットの後には必ずアウトプットを行うことで身につけた内容を実践し、学びを皆で共有する。この手法は、特に参加者からの反響が多いという。

「『learning-by-doing』を体験いただくことで『腹落ちする感覚を得られた』というご意見を多くいただきます。座学や講演会ではその場で『なるほど』と分かった気になるけれども、現場に戻ると『なんだっけ』と実感を得られないことが多い。ある参加者の方から、Hyper Islandのプログラムでは実際に手を動かし議論を通して実感していくので、そのときの感情も含めて忘れにくい講座になっていると言われました。短時間でぎゅっとワークを詰め込んでいるので、とても集中しなければ乗り越えられず大変です、とも言われますけれど(苦笑)。プログラムに触れることで『発想が柔軟になり、デジタルへの恐れがなくなった』という声も聞きます」

受講者には起業家、マネジメント、ロボットエンジニア、大手のブランドデザイナーなどが交じり年齢は20代から60代まで幅広く、取材中は「多種多様」という言葉が何度も繰り返された。

海外では誰もがもち得る「デザイン思考」を日本でも定着させたい


こうした哲学に裏付けられたHyper Islandが、日本というガラパゴス国家に上陸するにあたり、いかなるローカライズが施されたのだろうか。質問に対し、森杏奈は「ローカライズではなくカルチャライズが必要です」と返す。

「世界中の優れたビジネスモデルやさまざまな事例を理解し学ぶためには、確かに言語障害を取り除かなければなりません。とはいえすべてを日本語に置き換えてしまうと、意図するところが変わったり、逆に理解しづらくなったりするものがあります。背景を理解して日本の文脈に置き換える部分と、フレームワークの単語などそのまま伝える部分を決め、丁寧にデザインしています」

Hyper Islandのエッセンスを保ったまま導入されたプログラム。日本では、2つのコースが用意されている。まず企業の課題や目的に合わせて期間やコンテンツを設計する企業向けのコースと、ビジネスパーソンであれば誰でも参加できるオープンコース。オープンコースでは「デジタルテクノロジー」と「デザインシンキング」、そして「ビジネストランスフォーメーション」という3つのコアプログラムを、2日間ずつオンラインで提供する。なぜビジネス向けプログラムとして「デザインシンキング」が用意されているのか、改めて尋ねてみた。

「海外では『読み書きそろばん』に並ぶように、顧客視点に立って考える『デザイン思考』がインストールされています。どの分野のビジネスパーソンでも、顧客視点における共通言語やフレームが使えて当然。ですが日本は、デザインはデザイン、マーケティングはマーケティング、と個々の領域に固執してしまう印象を受けます。国内外を問わず変革を推進する人材になるためには、基礎をもったうえで他の領域や新たな産業から学び、自身の分野へ適応させる力をもっと養わなければいけません」

もちろん専門性は必要だが「自分の領域だけ知っていればいい時代ではない」と警鐘を鳴らす。そして「同様の課題感をもつ方は日本にもたくさんいらっしゃるので、そういう方たちとぜひコネクトしていきたい」と意欲を見せた。


Hyper Island 日本向けバーチャルオープンコースはウェブサイトから申し込み可能


答えがひとつではないプログラムから得た感動体験


森杏奈は美大卒業後テイ・デイ・エスに入社し、以来現在も在籍し続けている。グラフィックデザイナーとしてのデザイン制作業務やアートディレクターとしてのブランディング案件に携わり、自社プロダクトブランドのチームへ。その後、新規事業を担当する役員からHyper Islandへの入学を勧められた。「海外のクリエイティブビジネススクールで修士学位に挑戦してみないか? と言われたんです。いわゆる無茶振りですよね」と振り返る。日本の業務と並行して、Hyper Islandのシンガポール校へ通うことになった。

「授業とはいえクライアントがいて、彼らが抱える課題に受講者はプロフェッショナルとしてアプローチしていきます。ファシリテーターからはすごく難しい質問が投げられ、『正しい問いかけとは何か』を学んでいきます」

毎月シンガポールへ通いながら課題をこなし、論文を書き、そして日本での仕事も行うハードな日々。ときには徹夜で熱意を込めて仕上げた課題をたった一言で否定される悔しい経験もしたと明かす。しかしそれ以上に、Hyper Islandのプログラムには大きな学びがあった。

「私が非常に感銘を受けたのは、ファシリテーターに答えを尋ねても正解が返ってこないことです。なぜなら正解はひとつではなく、あらゆる検証を行い“自分で”正解を決めるべきだから。日本の教育では用意された正解を当てにいきますが、そうではなく、自分が正しいと思う正解を決めなさい、と言われるんです」

森杏奈は「これは絶対日本にもち帰るべき」と確信。その後Hyper Islandとテイ・デイ・エスにおいてパートナーシップが締結された。森杏奈はいまでもこのときの感動を胸に「私は教育者ではなくファシリテーターとして、同じ体験を日本の方に提供したい」と力強く語る。

「デジタル社会のビジネスにおいて、明確な『答え』をもっているクライアントなどいないと思うんです。そこで多種多様な人たちがチームを組み、あらゆる視点を入れて解決に向けて取り組むスタイルを促進したいと考えます」



不確実な時代を生き抜く、生存戦略のスキル


創業当時からグローバルネットワークに接続し、プログラムを発展させてきたHyper Island。近年ではリモートによる共創や生産性向上のための実験を繰り返し、コロナ以降はシンガポールを中心に、オンラインによる学習体験をさらに加速させている。こうして日々磨かれるプログラムは、2020年から半ば強制的に訪れたニューノーマルの働き方やライフスタイルの一助にもなりそうだ。

「Hyper Islandは、異なる考え方をもつ人々をサポートする環境づくりをしたいと考えています。アイデアを表現したり、質問したり、懸念を伝えても、互いに嫌な思いをしない環境――つまり心理的安全性が確保されている場をつくることです。Hyper Islandを体験した人は、自分の考えをオープンにすることで互いの信頼を強固にできるとよく理解しています。このスキルは、オンラインコミュニケーションに課題を抱えるニューノーマルの働き方において、大きな意味をもつのではないでしょうか。また、私たちはHyper Islandの知見や経験によって選別された、有用なメソッドを紹介する「ツールボックス」をウェブサイトで公開しています。ここでもいくつかのヒントを得ていただくことができると思います」


HI TOOL BOX(ツールボックス)のコンテンツは随時更新される

ちなみにHyper Islandのプログラム卒業生は「Hypers」と呼ばれ、自らの経験を活かし他者の学びを助けるため、様々なかたちでコラボレーションするのだそうだ。プログラムでの体験を通じて「学び」とは果てしないものだと痛感し、生涯学習者となり得るのだ。

「この時代で戦い生き抜くために、私たちは学び続けなければいけません。私はHyper Islandに出逢い、世の中に学ぶべきことは山ほどあると確信しました。学びには職種もキャリアも関係ありません。学習を続けることが、つまりビジネスを続けていくことなのです。私自身もその気持ちを忘れずファシリテーションやコミュニケーションを通して学びの機会を得ていきたいと思っていますし、参加者の方が受講後も自身の力で探究を続けられるよう、精一杯ナビゲートしていきます」

Hyper Island Japan
https://www.tds-g.co.jp/hij/

日本向けオープンコースについて
https://www.tds-g.co.jp/hi_opencourse/

HI TOOL BOX(日本語)
https://www.tds-g.co.jp/hij/toolbox/


森杏奈◎Hyper Island デジタルマネジメントマスターコース卒業生/ラーニングデザインディレクター(TDS)。2001年にテイ・デイ・エス入社。現在はラーニングデザインディレクターを務める。NYとシンガポールでデザイン思考やデジタルマネジメントを学ぶ。日本におけるデジタル人材育成をテーマに活動中。また、アートテック分野でのプラットフォームビジネスも展開中。

Promoted by Hyper Island Japan / text by Nanae Ito / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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