大人気のBMW3シリーズをかじってみたいなら、入門車「318i」は意外に良い

BMW 318i


僕は318iを借りていた10日間、毎朝その赤い塗装とクリーム色のレザーの組み合わせに満足しながら、音声入力で「オーケーBMW」と声に出し、目的地をセットしてもらった。アウディやメルセデスベンツなどのライバルにも、そう言う音声ガイダンスが搭載されているけど、BMWのシステムは、中でも一発でちゃんと決めてくれるほうだと判断した。

318iの運転席

でも、何よりも良かったのは、スムーズな加速感、道路の凸凹をちゃんと吸収して滑らかな乗り味を提供すること、そしてステアリングの正確さとちょうど良い重さ。運転していて絶対疲れさせないセッティングだね。言うまでもなく、セダンではなく、ラゲージスペースがより豊富なワゴン仕様に乗りたい人は、「ツーリング」仕様を選択すれば良い。走り、質感、乗り心地はほぼ同じだし、利便性は優れている。

唯一、問題点と言うか、もう少し丁寧に調整して欲しかったのはブレーキだ。と言うのは、ブレーキの制動力には文句なしだけど、ブレーキペダルを踏んだ最後の1cmぐらいの沈み込みのタッチが少し曖昧。つまり、クルマが止まる寸前に、非常に丁寧にペダルを踏んで最後の最後で完璧に緩めないと、クルマが多少ギクシャクする。もちろん、僕が乗ったのはあくまでと試乗車なので、激しいテストで酷使されていた可能性があることは言っておこう。

ところで、489万円からのプライスは比較的安いけど、実はどの顧客も、HDDシステム、16スピーカーのオーディオ、携帯電話のワイレス・チャージャーなどを付けたがるに違いない。そうすると、価格は完全に550万円を超える。それでも、この手の車両にしては、その価格はまだお買い得だと思う。

318iを横ら見た写真


連載「ライオンのひと吠え」
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文=ピーター・ライオン

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