ビジネス

2021.04.12

ホームレスから年商4億円のアパレル企業CEOになった29歳の女性

(c) By Samii Ryan


その2年後にバラがプリントされたTシャツをリリースし、衣料品店のZumiezに売り込んだところ、60店舗での取り扱いが決まり、さらに半年後には、全650店舗で「By Samii Ryan」ブランドの販売が始まった。

By Samii Ryanの顧客層は18〜30歳が多く、本来はEコマースとの親和性が高いはずだが、現状のEC化率は25%に過ぎない。ZumiezやRevolve、Dolls Kill、The Hundredsなどの小売店への卸売りが売上の大半を占め、これらの小売店でも、リアル店舗で販売されるケースがほとんどだという。

しかし、アスレジャー市場には、数多くの企業が参入し、競争はこれまでになく激しい。パンデミックで生活環境が大きく変化したことを受け、バレンシアガやプラダまでもが運動着を販売している。

2020年には、全てのオンライン売上の40%をアクティブウェアが占め、この分野のリーダーであるナイキは370億ドルを売り上げた。フランツの事業はまだ小規模だが、Care BearやSmileyなどのブランドと提携するなどして、差別化を図っている。

フランツは、毎週金曜日に限定商品をリリースしたり、35万7000人いる彼女のインスタグラムフォロワーやTikTokネットワークを駆使して商品を宣伝するなど、新鮮味を失わない販促を行っている。

パンデミックが収束し、人々がステイホームから解放されると、部屋着の需要は減るかもしれない。しかし、フランツは前途に楽観的だ。彼女は、婚約者のPinsteinとの間に第一子を妊娠した。

フランツは、By Samii Ryanの売上高を今年3倍に増やし、海外進出を果たすことを目指している。「我々はボリューム型のブランドだ。自分たちの販売力を熟知しており、毎月目標数値を達成し続けている」と彼女は話した。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事