I cover young people doing big things

(c) By Samii Ryan

コロナ禍を追い風に、米国のアパレルブランド「By Samii Ryan(バイサミーライアン)」が急成長している。アスレジャーに特化した同社の2020年の売上高は、前年比650%増の400万ドル(約4億3700万円)だった。業績好調の要因は、ステイホームによる部屋着需要の増加に加え、アディソン・レイ・イースターリングやヘイリー・ビーバー、リル・ナズ・Xといったセレブが愛用し、人気に火が付いたことだ。

同社の創業者でCEOのサマンサ・フランツ(29)はコロナ禍の消費者ニーズをうまく捉え、90年代のファッションにインスパイアされたデザインでブランドを成功させたが、育った家庭環境は決して恵まれたものではなかった。

「私は、皆と同じように公立高校に通い、部活はチアリーディング部とサッカー部に入ったが、家族はホームレス向けの施設で暮らしていた。両親が離婚した後、人生の大半をホームレスとして過ごしてきたが、友達には内緒にしていた」とフランツは話す。彼女は、2021年にフォーブスの「30アンダー30」に選出された。

ペンシルベニア州出身の彼女は、中学と高校の大半を母親と2人の姉妹と共にホームレス施設で過ごし、友人の家のソファで寝ることも多かった。

高校卒業後は、歯科衛生士を目指し、地元のコミュニティ・カレッジに進学した。学費を稼ぐため、パンクロックフェスティバルの「Vans Warped Tour」で、ジャックス・マネキンや3OH!3などのファン向けにフェザーイヤリングを販売した。楽屋に忍び込み、シンガーソングライターのケシャなどのアーティストにジュエリーをプレゼントしたこともあるという。

地元のレストランでウェイトレスのアルバイトをしていた彼女は、ある時、ラジオ番組でケシャのインタビューが流れているのを聞いた。その番組で、ケシャは当時リリースしたばかりの新曲「Tik Tok」の宣伝に加えて、彼女のお気に入りのイヤリングをデザインしたのがフランツであることを紹介したという。

その直後からフランツのもとには注文が殺到し、大手百貨店のノードストロームから、彼女のアクセサリーを取り扱いたいとのオファーが舞い込んだ。フランツは、コミュニティ・カレッジを中退してボーイフレンドと同居をはじめ、父親の家の地下室で会社を立ち上げた。

フランツは、アクセサリーを1万ピース販売し、20万ドルを稼いだ。その後、彼女は当時のボーイフレンドと別れ、ロサンゼルスでモデル業に挑戦し、Inkedのカバーを飾ったほか、プレイボーイにも写真が掲載された。2015年に現在の婚約者で、当時はストリートウェアブランド「Moose Limited」のバイヤーをしていたEvan Pinsteinと知り合い、アパレル業界への参入を勧められた。

編集=上田裕資

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