UPSによると、ベータ社のeVTOLの最初の10機は2024年に納入が開始され、同社は最大150機を購入予定という。これらの機体は1回の充電で最大250マイルの飛行が可能で、最大1400ポンドの貨物を運ぶことが可能だ。
さらに、UPSの既存の施設に直接離着陸することができ、充電は約1時間で完了するという。UPSとベータ社は、この契約の財務的な詳細を明らかにしていない。ベータ社はまた、運航開始前にFAAの承認を受ける必要がある。
「これらの新しい航空機は、当社のビジネスに効率性をもたらし、新しいサービスの可能性を広げ、将来的に当社のオペレーションの二酸化炭素排出量を削減するための基礎となる」と、UPSの最高情報技術責任者(CIO)のファン・ペレスは述べている。
今回の取り組みは、UPSの子会社であるUPS Fleet Forwardが主導する。
アトランタに本社を置くUPSは、燃料費やメンテナンスコストを抑えつつ、二酸化炭素排出量を削減するために、配送車両の電動化を推進しており、ベータ社との取り組みはその動きに一致する。同社は昨年、英国のスタートアップ企業「アライバル(Arrival)」から最大1万台のバッテリー式バンを購入する意向を示しており、来年には最初の電動配送車両が運行を開始する予定だ。
ベータ社によると、同社のeVTOLは、従来のヘリコプターに比べて騒音は10分の1程度で、4つの固定プロペラで地面から浮き上がるという。この機体は、医療施設や一刻を争う配送を必要とする企業などの顧客に導入される予定だが、UPSは最初のユニットがどこで運用されるかについては言及を避けている。
UPSは、ベータ社が開発した充電設備も導入する計画だ。
ベータ社の創業者でCEOのカイル・クラークは、「UPSは垂直離着陸を利用することで、既存の施設の比較的小さなスペースを、低騒音で排気ガスのないマイクロ・エアフィーダー・ネットワークに変えられる」と述べている。
バーモント州バーリントン本拠のベータ社は以前に、バイオテクノロジー企業の「ユナイテッド・セラピューティクス」や米国空軍向けに、機体を納入する計画を明かしていた。