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Roberto Jimenez Mejias/Getty Images

新型コロナワクチン接種の対象年齢が引き下げられれば、「すぐにでも子供に接種を受けさせたい」と考えている米国の親は、およそ半数であることが分かった。これは、秋に新学期を迎える前にワクチン接種を済ませた人を増やす上での障壁となる可能性がある。

米ニュースサイトのアクシオス(Axios)と調査会社イプソス(Ipsos)が4月6日に発表した調査結果によると、「子供の接種を急ぐ考えはない」とする親の割合は、48%だった。一方、米国では、成人の間でワクチンの接種が進んでおり、昨年9~10月にはおよそ38%だった接種を希望する人の割合は、現在は70%程度に増加している。

ワクチン接種をためらう人が多いことは、依然として大きな問題だ。今年初め以降に行われた世論調査では、一貫して約20%の人が、「おそらく接種を受けない」と答えている。今回の調査では、特に共和党支持者(31%)と高卒者(28%)に、ワクチンに抵抗感を持つ人が多いとの結果が示された。

変異株でリスク増大?


新型コロナウイルスのパンデミックを収束させ、秋の新学期に向けて従来の日常生活を取り戻すために、大きな役割を果たすのは子供たちへの接種だとされている。

子供や10代の若者は感染しても重症化する確率が低いとされてきたが、重症化する人がいないわけではない。米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国では3月末までに、感染した子供少なくとも227人が死亡している。

また、感染した子供たちは他の人、特に彼らと比べれば重症化のリスクが大幅に高くなっている成人に、感染を広げる可能性がある。子供・若年層のワクチン接種は、感染リスクを低減させ、子供から大人への感染を抑制し、より効率的に流行を抑え込むことに役立つと考えられる。

ワクチンは論争の種


米製薬大手ファイザーは3月下旬、これまでの臨床試験の結果を受け、向こう数週間以内に米国と欧州で、ワクチン接種の対象年齢を12歳以上に引き下げるための緊急使用許可を申請する考えを明らかにした。米モデルナもまた、幼児から17歳までを対象とした臨床試験を行っている。

一方、専門家の間では、英国で最初に確認された変異株「B.1.1.7」(英国型)が従来型の株よりも子供たちに感染しやすいのかどうかについて、議論が続いている。

子供たちに新型コロナウイルスのワクチンの接種を義務付けることについて、すでに明確な方針を打ち出した州は、今のところない(テネシー州とペンシルベニア州は、個人の選択とするべきとの見解だと伝えられている)。

だが、一部の学区は、接種を義務化する方針を示している。ワクチンの接種対象が子供たちにも拡大されれば、そしてその時点でも依然として接種に否定的な親が多ければ、大きな紛争が巻き起こることになるだろう。

どの州も、学校に通う児童・生徒に予防接種を義務付ける権限があり、多くはポリオやはしかなどをその対象としている。

編集=木内涼子

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