上級職を目指す人がアピールすべき3つのこと

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私は、製薬研究プロジェクトマネジャーから次のような質問を受けた。

「より高い役割に就くには、さまざまな仕事に応用できるスキルのうち、何をアピールすべきでしょうか? 逆にあまり強調すべきでないスキルはありますか?」

Cスイート(経営トップ層)や役員の地位を得たい人の場合、昇進の戦略は業界や機能分野によって、さらには同じ業界や機能分野でも会社によって変えるべきだ。

とはいえ私がCスイートや他の上級職を採用したときには、複数の履歴書の中で目を引いた共通点が確かにあった。また私が役員への昇進を目指す人を指導するときの個人のブランドの構築方法には、業界や機能分野、企業にかかわらず共通点がある。

さまざまな役割に応用できる万能なスキルを探すのではなく、トップの仕事にふさわしい競争力のある候補者が持つ3つの具体的な特徴をアピールしよう。

1. 前進を続けていること


企業の階層はいまだにピラミッド型で、役員層よりも中間管理職が多い。他の候補者の中で目立ち一握りの上級職に昇進したい場合は、キャリアが徐々に上方向へと動いていなければならない。

チームや予算の拡大、より重要な顧客の担当など、あなたの役割の変化には責任の高まりが示されているべきだ。また、業績に与える影響が時間とともに大きくなる明確な成果を持つことも必要だ。役職が継続的に上がっていることよりも、役割の複雑性や雇用主にとっての価値が上がっていることの方が大事だ。

私は非営利組織の最高財務責任者(CFO)を採用したことがある。最終的に選ばれた人はトップの仕事を経験したことがない人だった。彼女の役職は明確に上がり続けていたわけではなかったが、彼女が管理していた予算の規模や責任を持つ領域は増えていた。

彼女がキャリア初期に行っていた会計や財務分析は1つの事業部門のみのものだったが、CFOになる直前の仕事では重要な地域の全事業部門の財務監督に加え、事業部門売却の取り組みを率いていた。事業部門売却には財務管理だけでなく、組織の変革戦略や、コンプライアンス(法令順守)・人事など会社のあらゆる機能分野と緊密な連携を取ることが必要となる。

2. 勢いに乗っていること


上方向に進んできたことだけでなく、最近勢いに乗っていることも示す必要がある。

キャリア初期に華々しい出世を遂げたものの、その後は頭打ちになった候補者にはなりたくないだろう。最近の伸び悩みが採用されない原因となるわけではないが、キャリアが着実に上昇を続け、過去3~5年間で特に大きな成長を遂げた人と比べると見劣りする。

私は過去、投資管理企業の地域営業責任者を採用したことがある。これはCレベルの職務ではなかったものの、会社内で利益を生んでいる部署の上層部の仕事で、100万ドル(約1億1000万円)以上の報酬を得られる可能性があった。
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翻訳・編集=出田静

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