テレビ番組の視聴で心の知能指数(EQ)を上げる方法

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3つ目に、その登場人物がそのように感じている理由について自分の考えを明らかにする。何がそのような感情を引き起したのだろう? 何が原因だったのか? なぜその人物は、この特定の感情に反応したのだろう? その人物の性格のどの部分がその感情を強めているのだろう?

こうした点について考え抜くと、なぜこの登場人物がそうした感情を持っているのかについて妥当な仮説ができるだろう。

4つ目のステップが最も重要な部分だ。ここではその仮説を捨て、なぜこの人がそのような感情を持ったのかについて全く異なる説明を考えてほしい。新たな仮説が最初のものから駆け離れていればいるほどよい。目標は認知・感情の柔軟性を培うことで、狭い視野にとらわれることではない。

例えばメインの登場人物が悲しみから泣いている理由は「ペットのツチブタが大きくなり過ぎて家の中で飼えなくなり、手放して寂しく感じるから」というのが私の最初の仮説だったとしよう。

今度は、この人物が泣いている理由について全く異なる仮説を考える。例えば、彼はひそかにずっとツチブタを料理して食べたいと思っていたが、その機会がなくなったことが理由かもしれない。

これはもちろん非常にばかげた例だが、これも練習の一部だ。私は最初の仮説が間違っていた可能性、しかも少しではなく完全に間違っていた可能性を受け入れなければならないのだ。それを達成する最善の方法は、最初に立てた仮説から根本的に異なる2つ目の仮説を作ることだ。

5つ目のステップでは、今度は3つ目の仮説を立てる。これは最初の仮説に近いものになることが多いが、最初に考えていたこと以外の何かが起きている可能性に自分がより心を開いていることに気づくだろう。

最後にテレビ番組の視聴を再開し、あなたが立てた仮説の中でどれが最も正解に近かったかについてヒントが拾えるか確認しよう。

番組が複雑でよく練られているほどこの練習の価値が増す。登場人物の描き方が拙く一面的な場合、この練習はそれほど良い刺激にはならない。

しかし現在は、ドラマからドキュメンタリーまで非常に巧妙に書かれた番組がいくつかある。そのため視聴するものを見つけて他者認識を練習する上で苦労はないはずだ。

翻訳・編集=出田静

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