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英ロンドンで、環境に優しい垂直農法で生産した野菜を自宅に配送する初のサービスが始まった。

垂直農法は急成長を遂げている分野で、世界の市場規模は2018年の22億3000万ドル(約2500億円)から、2026年までに127億7000万ドル(約1兆4000億円)に達すると予測されている。

クレート・トゥ・プレート(Crate to Plate)は、家から15分歩けば生鮮食品が買える「15分都市」のコンセプトを推進するセバスティアン・セインズベリーが立ち上げた垂直農法ベンチャーで、さまざまな種類の新鮮な葉野菜やハーブを提供している。野菜は全て24時間以内に収穫されたもので、自宅への配送や市内の青果物店で購入できる。

同社のエコ農園は、カナリーワーフ地区の駐車場に設置された3つの貨物コンテナの内部にあり、LED照明や自動栄養供給システムを備えている。40フィート(約12メートル)のコンテナではそれぞれ、1エーカー(約0.4ヘクタール)の農地と同量の作物が生産でき、ここでは年間6トンの野菜が収穫できる見通し。この都市型農園は従来の農法と比べ、必要な土地がはるかに少ない上、無農薬で、使用する水の量が96%少ない水栽培技術を使った生産が可能だ。


コンテナ内の環境は綿密に制御されている。生育環境を細かく管理することで、水の使用量を最低限に抑えた都市部での通年生産が可能となり、収穫から24時間以内に消費者に届けられる上、農園から顧客までの輸送での二酸化炭素排出量はゼロだ。レタスやルッコラ、ケール、チンゲン菜、ハーブ類、マイクログリーンなどの野菜が収穫され、週に2回配送されている。その味は、スーパーの野菜と比べると驚くほどおいしい。

同社の野菜は一部の青果物店で買えるほか、ウェブサイトで消費者に直接販売されている。レタス3種、その他の野菜3袋、ハーブ3種の詰め合わせの価格は15ポンド(約2300円)だ。

クレート・トゥ・プレートはレストランにも野菜を提供していて、最近ではミシュラン星獲得レストラン「ハイド(Hide)」の著名シェフ、オリー・ダブーが使う野菜を独占供給するようになった。英国では野心的な事業拡大計画があり、ロンドン2番目の施設をエレファント・アンド・キャッスル付近に開設し、さらに市内に複数の施設、そしてマンチェスターやバーミンガムなどにも農園を設置する予定だ。米国進出の計画もある。

新型コロナウイルスの世界的流行により宅配サービスの需要が増える中、同社が提供する高品質の野菜は人気を博し、販売開始以降、毎週完売が続いてきた。セインズベリーは「すべての人が家から1マイル(約1.6キロメートル)以内で新鮮な葉野菜を買えるようにしたい」と語っている。

編集=遠藤宗生

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