フォーブス ジャパン ウェブ編集部 エディター


リリー・フランキー氏の「第3弟子」展、昭和のビンテージプロマイド展も


TTA計画に専念するため、立ち上げと同時に自らの会社の代表の座まで退くというBJ氏の意気に応えて、さまざまな協力者も参集しつつある。また、日本のグラフィックデザイン業界を代表するカリスマデザイナー、仲條正義氏がロゴを制作した。

仲條氏は1956年、資生堂宣伝部入社。フリーになった後に資生堂企業文化誌『花椿』のアートディレクション、松屋銀座、東京都現代美術館などのロゴデザインを次々に手掛けた、日本のグラフィック分野における文字通りのカリスマである。



仲條正義デザイン「東京タワーで、あいましょう。」計画のロゴ

そして現在は、フットタウン3階「TOWER GALLERY」で日本画家であるホセ・フランキー氏の『いろいろ、色々』展が開催されており、静かに話題だ。

ホセ氏は、かの220万部を超えるベストセラー小説であり、映画化もされた『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』著者で俳優でもあるリリー・フランキーの「第3弟子」である。


会場に展示されたホセ・フランキー氏の作品から

作品からは一見、西洋的な印象を受けるが、ホセ・フランキーの専門は実は「日本画」で、どこか皮肉な笑いを含んだ画風が特徴だ。そしてその渋く枯れたような色調からは、アーバンシックなオーラが強く漂う。

考えればホセ・フランキー作品の風情は、風雪に耐え63年間、東京の街を見下ろしてきた東京タワーのひなびたシックさ、そのくせクールな新しさとどこか似ている。ホセ氏の作品は、最高の舞台を得たといっていいかもしれない。


ホセ・フランキー氏と作品

「TTA計画」には今後も多くの企画が用意されているという。たとえば4月23日からは、「マルベル堂100周年記念展」が始まる。

「マルベル堂」は日本で唯一の芸能界公認のプロマイド販売店だ。昭和の映画俳優、女優、歌手、アイドルを中心に専属カメラマンがプロマイド用の撮影をし、これまでに2800名にのぼるスターを撮影、プロマイドを制作してきた。その保有ネガは実に8万5000版を超えるという。


会場に展示された歴代のポストカードやチケット

昭和のアイドルブーム衰退後も、2000年代はじめの「レトロブーム」に後押しされたこともあって再び注目される、昭和文化史を伝えるプラットフォームのひとつだ。

BJ氏は言う。

「『マルベル堂100周年記念展』はまさに、古くて新しい東京タワーの、コロナ禍からの復興にふさわしいコンテンツとして企画しました。若い世代にも昭和プロマイドファンは多い。彼らにもプロマイド写真の撮影を体験してもらい、楽しんでほしい と思っています」

建設から60年以上たち、日本一高い建造物の称号は、2012年に完成した東京スカイツリーに奪われたとはいえ、東京タワーはその歴史的価値を身にまとい、いまも日本文化の中心に聳え立っている。

文=石井節子

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