ロイターとイプソスが先ごろ実施した世論調査は、共和党に対するトランプの影響力が依然として強いこと、昨年の大統領選とその結果に関するトランプの虚偽の主張が支持者の間に広く定着していることを示すものとなった。
議会襲撃事件は「大部分が非暴力的な抗議活動」だった、または「トランプの印象を悪くしようとする左翼の活動家の仕業」だったと考えている共和党支持者は、およそ半数にのぼっている。また、この事件は「トランプに責任がある」と答えた人は、わずか3割にとどまった(全体では59%が、トランプの責任だと回答)。
一方、この襲撃事件について、「暴力的ではなかったとも、左派が仕組んだとも思わない」と答えたのは、民主党支持層の80%、無党派層の60%にのぼっている。さらに、回答者の60%は、「ジョー・バイデン大統領は公正に行われた選挙で勝利した」と考えている。
だが、共和党支持層の60%は、信頼に足る十分な証拠がないにもかかわらず、「バイデンは投票に広範な不正行為があったために勝利した」とするトランプの主張を信じている。80%はトランプを肯定的にみており、60%が「2024年の大統領に再び出馬すべきだ」と考えている。
調査は3月30~31日に実施。米国の成人1005人から回答を得た。トランプは25日にはFoxニュースの番組に出演。議会への襲撃事件について、「(彼らは)まったく脅威を及ぼしていない」「私たちの国への愛を示した」などと述べている。
共和党支持者の「独自の現実」
米ヴァンダービルト大学のジョン・ギーア教授(政治学)はロイターに対し、「共和党支持者には、自分たちなりの現実がある」「これは非常に大きな問題だ。民主主義には説明責任が必要であり、説明責任には証拠が必要だ」と語っている。