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世界を救済する手段はあるのか?


資本主義は政府で管理するには手強すぎる。管理したいなら、人々の手で行うしかない。市場に支配されるのではなく、市場を支配するには、多くの個人の総意が必要になる。

それを実現するには、自分は何者で、なぜ自分は存在すると思うのか、人生に何を求めているのか、といったことを各自がはっきりと自覚しなければならない。

残念ながら言うは易く行うは難しだが、自分の人生や自分たちの社会を自分の手で管理したいなら、その自覚は欠かせない。

アダム・スミスは、高潔な男女であってもシステムが変わらない限りは、彼ら自身で何かを変えることはないと考えていた。だが彼自身の存在が、優れたアイデアが時宜を得て高潔な人々の協力を得られれば、システムは変えられるのだと長きにわたって証明している。

優れたアイデアが新しいアイデアであることはほとんどなく、たいていは古くに生まれてよみがえったアイデアが、時宜を得て優れたアイデアとなる。おそらく人生や社会に関する昔に生まれた哲学が、復活する時機がきているのだろう。

人類が暮らすこの世界を救済する手段は、人間の心のなかにしか存在しない。人間が持つ内省する力、謙虚さ、責任感が人類を救う。解決するという決意を世界中の人々が意識しなければ、何もよい方向に変わらず、混沌へと向かっているこの世界がそのまま向かい続けることは避けられない。


『THE HUNGRY SPIRIT これからの生き方と働き方』チャールズ・ハンディ/著



チャールズ・ハンディ◎イギリスのピーター・ドラッカーと称される、欧州を代表する経営哲学者。世界の経営思想家ランキング「Thinkers 50」のLifetime Achievement Award(生涯功労賞)をヘンリー・ミンツバーグ、マイケル・ポーターに先駆けて受賞した。研究者としての主要テーマは、行動科学の企業経営への適用、経営の変革や組織構造、生涯学習の理論と実践。

『THE HUNGRY SPIRIT これからの生き方と働き方』(かんき出版)

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