風の時代を制すのは誰? 「アートxウェルネス」で高付加価値をデザインする

新たな感覚を呼び起こし、インスピレーションへと誘うドイツ人アーティスト、レギーネ・シューマンのライトアート(Courtesy of Taguchi Fine Art)


ウェルネス視点で得られる幸福感と未来志向


高付加価値化へのもう一つの鍵が「ウェルネス」です。

ウェルネスとは、よりよく生きようとする思想や活動のことで、健康よりも広い範囲で捉えられています。

ウェルネス市場は、ここ数年世界経済のほぼ2倍に当たる急成長を続けていて、2019年にはグローバルで約500兆円(4.5兆ドル)に上りました。また、企業経営にウェルネスマネージメントを取り入れたり、自社サービスにウェルネス的視点を取り入れるところも増えています。

15年前から人間の幸福度を計測してきた日立製作所は、昨年「ハピネスプラネット」を設立し、企業マネジメントや働き方を変えていく取り組みを本格化しています。

身近なところでは、JALが「歩くだけでマイルがたまる」など、マイレージ会員向けに「JAL Wellness & Travel」というウェルネスサービスを始めました。

ディズニーは「ヘルシーリビング」の取り組みを通して、人間や地球にとってヘルシーな食や生活習慣を呼びかけ、より意識の高い消費者にリーチしています。


深呼吸をしながら自身の内面や自然とつながるWabiYogaでのひととき

1. 自分軸を持つ

私たち一人一人は、先祖代々から今の自分へと繋がる「縦軸」と、生まれ落ちた地点から今の自分がいる場所に繋がる「横軸」が交わるところに存在していると、沖縄のカミンチュの教えにあります。つまり自分一人だけで存在しているのでなく、過去からの延長線上に生かされているのです。

また、仏教やネイティブアメリカンの教えには、私たちが今とっている行動は、なんと七代先の子孫にまで影響する、とあります。

自分の行いが七代も先の未来をも背負っていると思うと、とたんに思考が「今さえ良ければ」ではなく、未来を見据えて良い行いをしようというスケール感、SDGsな意識へと変わるのでないでしょうか。

2. 心身の健康・幸福感

激動の時代を生き抜くには、心身が健康で、かなりパワフルでなければなりません。「幸せな状態」とは、バラ色のキラキラしたものだけでなく、変化の中で自分で切り拓ける力、上手くいかないときも立ち向かっていく力が備わっている状態です。

そういう前向きな心を持っていると、仕事も上手くいき、病気にもなりにくくなります。

自分の価値観を大切にし、それぞれの自由を尊重して生き生きしている個々が集れば、そこに良い気が集まり、包括的なコミュニティが形成され、オーラとなって多くの人を引き寄せるのです。


3. 謙虚で自然体 
 
千利休の師匠である武野紹鴎の「正直に慎み深くおごらぬ様を侘びという」という言葉があります。

自然体で謙虚であることは真の強さの表れで、当たり前のことや嫌なことでもありがたく思えるくらいの謙虚さは、実は最高の武器。

さらに、自分をとりまく全てがありがたい、と思えるようになったら最強。そうすると、次々と起こるピンチもチャンスと受け取れるようになるでしょう。

とはいえ、忙しい日々の中で、なかなか心と思考を整えるのはむずかしいですよね?

そこで直感力を磨き、謙虚さを身につけ、自分軸を整える「アート×ウェルネス」なメソッドとして私たち山田家が10年以上前から温めてきたのが「WabiYoga」です。


ペアになって互いを気遣い、相手のぬくもりを感じるチームビルディングの要素もWabiYogaの特徴


「WabiYoga」は、心と体をトータルに見つめ、心身の無駄を省いて軸を定めることで直感力を磨き、視座を高める「セルフマネジメント術」です。

Wabiは「無駄がない、謙虚さ、自然なありよう」などを表す「侘び」の精神、Yogaは自分の内面と、自然や地球と、さらには宇宙と「つながる」ことを意味します。

禅や武道、茶道、舞踊など日本の道の根底にある動きに、太極拳、ランナーマーシャルアーツ、ヨガなど、世界の体術のエッセンスを抽出して練り上げたWabiYogaで、脳と心身の疲労をリセットし、前向きに生きるエネルギーをチャージします。

変化の時代を生き抜くために、しなやかな心身を育て、心地よさや生きている感覚を実感しながら精神美を体得し、自分なりのウェルネスをマネジメントする機会を、WabiYogaを通して多くの方に届けて行きたいと思っています。

文=山田 理絵

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