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ラグジュアリー・ブランディング・プロデューサー、 Urban Cabin Institute パートナー

新たな感覚を呼び起こし、インスピレーションへと誘うドイツ人アーティスト、レギーネ・シューマンのライトアート(Courtesy of Taguchi Fine Art)

昨年の冬至を境に、それまで200年以上続いてきた「土の時代」から「風の時代」へと移りました。

この先の200年は、目に見えるモノを「持つ」ことから、モノを手放すことで生まれる自由を楽しみ、見えない知識や情報を「知る」ことに価値が置かれるといわれています。「持つ」ことから「知る」ことへと大きく発想が変わる時代の曲がり角。これまでの価値観にとらわれず、自由で個性があるところにイノベーションが生まれます。

そんな風の時代は、コロナの襲来が象徴するように、予測不可能なピンチの連続になるといわれています。

荒波の航海を乗り切るサービスの向上に求められる切り口とは、いったい何でしょう?


日本のハイエンドトラベル発祥の地である新港埠頭で開催されたハイエンドライフスタイル意見交換会(横浜グランドインターコンチネンタルホテルPier8)

「アート×ウェルネス」が差別化の鍵


私はハイエンドトラベルを切り口に、さまざまな分野のサービスの高付加価値化のお手伝いをしています。ハイエンドトラベルとは、アート・建築・ファッション・食・ウェルネスなど、自身の内面を高める異分野を横断した特別体験です。

中でも「アート」と「ウェルネス」を掛け合わせたハイセンスな視点が、他との差別化を図るコンテンツ作りに求められるということが、昨年末に私が主催したハイエンドライフスタイルの意見交換会で改めて確認できました。

その一つの例が、日本を訪れるハイエンドトラベラーの満足度が最も高い「食」です。

「世界ベストレストラン50」日本評議委員長の中村孝則氏によると、食の世界では、味そのものだけでなく、そのレストランのコンセプト、建築や内装の面白味、チアアップ、表現力や意外性、サステナビリティなど、レストラン全体で「アート的な表現ができているか」が、世界的な評価の基準になっているのだそうです。

また、ウェルネスを自社サービスに取り込む動きも加速しています。中でも画期的だったのが、アップルウォッチに心拍数を計測する機能がついたこと。

それまで病院に委ねていた心拍数という体の要の状態を、個々がリアルタイムで把握できるということは、だれでもどこでも自分次第で健康管理ができるソリューションを打ち出してきたことを意味します。それも健康会社でなく、アップルが。

他にもFitbitや睡眠をトラッキングするグーグルの「Nest Hub」など、健康を管理するテクノロジーが出てきています。

今まであったモノやコトが覆る「風の時代」を象徴するかのように、「これからは病院任せでなく、自分の健康は自分で」という大きなメッセージだと、私はこの流れを捉えています。

このようなアートやウェルネス的なアプローチがサービスにあることが、付加価値を生み出す時代がきています。

文=山田 理絵

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