4月2日、共和党議員のグループは、ジョージア飲料協会のケビン・ペリー会長に書簡を送り、すべてのコカ・コーラ製品を直ちに、オフィススペースから撤去するよう要求した。議員らは書簡で、「我々はすべてのコカ・コーラ社の製品を我々のオフィスから撤去することを要求する」と述べ、コカ・コーラ社が「虚偽の情報を広める役割を受け入れる」のであれば、別の措置を考えると付け加えた。
共和党議員らは、ジョージア州の新たな投票法に抗議の声をあげたデルタ航空とMLB(メジャーリーグベースボール)に対しても、同様な非難の声をあげている。
ドナルド・トランプ前大統領は2日、「自由で公正な選挙を妨害しているすべての企業」とともに、これらの企業をボイコットするよう呼びかけた。
フォーブスはコカ・コーラ社にコメントを求めたが現時点で回答は得られていない。
ジョージア州の共和党議員らは25日、州内の投票行動を全面的に見直す新たな選挙法案を成立させた。同法により不在者投票の際の身元確認が厳格化されるほか、投票箱の使用は制限され、投票の列に並ぶ有権者に近づいて水や食べ物を与えることは犯罪になる。
黒人の投票権を剥奪する悪法の再来
民主党議員らはこの法律を、19世紀末から1960年代まで南部の諸州に存在した、黒人の投票権を剥奪した「ジム・クロウ法」の復活だと非難した。
ジョージア州アトランタに本社を置くコカ・コーラ社のCEOのジェームズ・クインシーは、CNBCに対し、「この法律は受け入れがたいものであり、社会を一歩後退させるものだ」と述べた。
ジョージア州の議員らは、この法律を非難したデルタ航空に対する報復措置として、同社に対するジェット燃料税の減免措置を剥奪する決議を3月31日に行った。一方で、MLBは同法に抗議し、今年アトランタで予定されていたオールスターゲームを別の州に移すと発表した。
米国のBLM運動を牽引し、フォーブスの「世界で最も影響力のある女性」にも選ばれたジョージア州議会の元下院議員の黒人女性、ステイシー・エイブラムスは、USAトゥデイに寄稿したコラムで、人々にボイコットを思いとどまるように呼びかけた。彼女によると、不買運動は、新たな投票制限によって最も権利を奪われる労働者階級の人々に打撃を与える可能性があるという。「私たちを置き去りにする試みで、私たちを救うことはできない」とエイブラムスは書いた。