企業がコンサルタントを正社員にしたがらない5つの理由

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2. コンサルティング業が苦境にあるのではないか?


その候補者は本当は社内勤務をしたくないものの、コンサルティングのプロジェクトがなくなり仕方なく応募しているのではないかという懸念も一般的に企業が考えがちなものだ。

この場合、雇用主には2つのリスクがある。1つ目は、コンサルティング業がまた軌道に乗ると候補者が退職し、企業は新たに人材を採用しなければならないことだ。上級職の場合は多大なコストがかかり、破壊的な影響がある。

2つ目のリスクは、コンサルティング業の不調の原因が候補者のリーダーシップにある可能性だ。これは、上級職にふさわしい能力を示すものとは言い難い。

そこで、企業勤務に戻る正当な理由が必要となる。募集中の役割が自分のやりたいことだったなど自発的な理由が理想的で、コンサルティング業をやめたいなどその他の理由は全て強制的なものだ。

3. しばらく辞めない確証はあるのか?


私を含め多くのコンサルタントは、多様な仕事ができることが理由でコンサルティングを好んでいる。コンサルティングを通し、異なる企業や人々、プロジェクトを経験できる。顧客のところで煩雑な作業や社内政治に巻き込まれたとしても、契約が終わればその会社を去ることができる。

コンサルタントを使う雇用主はコンサルティングの魅力を知っているため、困難な状況になったり新たな仕事のわくわく感が消えたりしたら、あなたが退職するのではないかと考えるだろう。

上級職には常に困難が付きまとう。楽しみややりがい、充実感がないわけではないが、リーダーシップには常に課題がつきものだ。経営レベルで混乱があると、戦略の実践や従業員の士気が大きな影響を受ける可能性がある。雇用主は、コンサルティングの一時的な性質を大きなリスクと考えるのだ。

4. ただの計画止まりのコンサルタントではないか?


一部のコンサルタントは戦略的助言のみに取り組む。コンサルタントが計画を立て、それを顧客が実行するのだ。社内でも戦略のみに特化した役割はあるが、社内の役割の大半はより具体的な戦術的要素を含んでいる。上級職は、チームや損益、測定可能な目標などを管理するので、うまいことばかり言ってすぐに次の崇高なアイデアへと移ることはできない。

あなたのコンサルティングのプロジェクトによって明確な成果が出ており、あなたは計画だけでなく実行段階にも貢献しているのが理想だ。社内の従業員に頼られ、価値ある同僚として認識されていることが示せればなおよい。
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翻訳・編集=出田静

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