バイデン政権の220兆円投資がテスラとEV業界に与える追い風

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米国の新車販売に占めるEVはわずか2%


しかし、米国では2020年の新車販売に占める電動車比率は約2%と、中国の半分以下にとどまっている。時価総額が6300億ドルと、自動車メーカーでは世界最大を誇るテスラでさえ、2020年のグローバルでの車両販売台数は50万台を少し下回る。これは、トヨタやフォルクスワーゲンの数分の1に過ぎない。ただ、それだけ成長余力が大きいとも言える。

「米国の運輸セクターは根本的な変革の真っ只中にある。この移行は、米国内で数百万の雇用を創出すると同時に、温室効果ガスの排出を削減し、経済的メリットを生み出す。また、米国の運輸業界が長年に渡って世界でリーダーシップを発揮することにつながる」と北米最大のEV充電ネットワークを運営するチャージポイントのCEO、Pasquale Romanoは述べた。

「米国のEV市場規模は、中国の3分の1に過ぎない。バイデン大統領は、この状況を変えなければならないと考えており、EV市場で勝つために1740億ドルを投資する予定だ。自動車メーカーが米国内で原材料や部品、工場の刷新を行ってサプライチェーンを強化し、グローバル競争で優位に立つと同時に、米国の労働者がバッテリーやEVを製造できるようにする方針だ」とホワイトハウスは声明で述べた。

バイデン大統領は、3月31日に次のように述べた。「連邦政府が使用する大量の公用車を、米国の労働者が作った米国製のEVや水素自動車に変える」

資本市場や自動車メーカー、バッテリーメーカー以外にも、米国による積極的な炭素燃料の削減を望む環境保護団体がバイデン大統領の計画を支持している。

「運転する乗り物を変える以外に、環境クライシスを解決する方法はない。2035年までに、全ての新車をEVにしなければならない。バイデン大統領は、2030年までにEV充電ステーションを全米50万カ所に設置する計画を立てており、無公害車への移行を加速させるだろう」とEnvironment AmericaのMorgan Folgerは語った。

編集=上田裕資

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