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プレドポルのラリー・サミュエルズCEO(左)は、同社にとって2015年は「飛躍の年になる」と自信を見せる。
同年中に北米市場の全都市での導入を目指している。



集積された情報を解析して応用する、いわゆる「ビッグデータ」は医療や犯罪対策への期待が大きい。
すでにアメリカでは、ビッグデータに基づく“犯罪予知”ソフトを使用しているが、その効果とは?


パトロール前の点呼で集まってくる警官たちに、担当地域の地図が手渡され、彼らは地図上の赤く囲まれた街の区画へ行くように指示される―。

いま、全米の約60都市で警官たちがこの地図を頼りにパトロールに向かっている。ところが、この地図は警察の犯罪分析官がつくったものではない。つくったのは、「プレドポル」という“犯罪予知”ソフトウェアだ。
このソフトは、独自のアルゴリズムで過去の犯罪データを解析し、巡回時に犯罪が起こりそうな場所を10.20カ所ほど赤い枠で表示する。プレドポルによれば、警官たちが巡回時間の5.15%をその表示区域のなかで過ごすだけで、勘や経験に頼るよりも検挙率が高まるという。
プレドポルを利用した警察署が犯罪発生件数を2桁減らしていると知り、ただでさえ予算不足に苦しむ各地の警察が年1万.15万ドル(約120万.1,800万円)を支払ってでも使おうとしている。実際、ソフトを導入したカリフォルニア州サンタクルーズでは、初年度に空き巣が11%、強盗が27%も減少している。
プレドポルは、そのサンタクルーズを拠点にする創業3年目の犯罪予知専門のIT企業だ。すでに、370万ドルもの資金を調達し、ゲーム会社「アタリ」の元副社長だったラリー・サミュエルズを最高経営責任者(CEO)に迎えるなど、さらなる成長を見据えている。サミュエルズは、プレドポルの2015年の売り上げを500万.600万ドルと予測している。
“犯罪予知”といっても、プレドポルは、フィリップ・K・ディックのSF小説『マイノリティ・リポート』のように、あらかじめ犯罪者を特定したりはしない。時間や場所、犯罪の種類を分析して犯罪が起こりそうな位置を割り出し、犯罪のパターンを導き出すのである。
プレドポルのアルゴリズムは、同社の創業者たちが「地震の発生パターン」について研究していたときに生まれた。地震も犯罪も元をたどれば、不変要因(震源となる断層や、騒々しい居酒屋)と、変動要因(余震や、ギャング間抗争とそれに伴う報復)のいずれかに行き着く。どちらも原因と、余震や犯罪発生率と連動しているというのだ。

とはいえ、プレドポルの効果はまだ実証されていない。警官の先入観や市民の不安といった課題もある。重要なのは、警察がどのように活用するかだろう。

エレン・ヒュエット = 文 イーサン・パインズ = 写真 フォーブス ジャパン編集部 = 翻訳

 

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