ビジネス

2021.04.05

自動運転「ウェイモ」の創業CEOが退任、今後の収益化が課題に

ウェイモのジョン・クラフチックCEO

アルファベット傘下の自動運転開発企業「ウェイモ」で5年以上にわたりトップを務めてきたジョン・クラフチックは4月2日、CEOを退任すると発表し、後任には2人の幹部が昇格することになった。

クラフチックは2日のツイッターの投稿でこの驚きのニュースを発表した。ウェイモのCOOであるテケドラ・マワカナ(Takedra Mawakana)と、長年CTOを務めてきたディミトリ・ドルゴフ(Dmitri Dolgov)の2人がともに共同CEOに昇格するという。クラフチックは今後、顧問としてウェイモに関わることになる。

「5年間にわたりチームを率い、刺激的な毎日を過ごした後、私はウェイモでの役割を離れ、新たな冒険を始めることにした。まずは、リフレッシュ期間として昔の友人や家族と再会し、新たな道を探ってみたい」とクラフチックは述べた。

スタンフォード大学出身のエンジニアで、キャリアの大半を自動車メーカーの現代自動車やフォードで過ごしたクラフチックは、2015年にグーグルの自動運転車プロジェクトの責任者に抜擢された。彼は、グーグルのR&Dプログラムだった自動運転部門をを、米国最大の自動運転テクノロジー企業に移行させ、ウェイモというブランド名を生み出し、フェニックス郊外で初の公道上のロボットタクシープロジェクトを立ち上げた。

ウェイモは最近では、「Waymo Via」と呼ばれる自動運転を活用した物流ビジネスの構築に取り組み、自動運転トラックやバンを開発するTuSimpleやオーロラに対抗しようとしている。

グーグルは2009年に自動運転プログラムを始動し、2016年にウェイモを立ち上げたが、その技術を商業化するための取り組みは、多くの人の予想よりも遅れている。ウェイモは、複数の企業とのパートナーシップから収益を得ていると述べているが、財務の詳細は開示していない。同社はこれまで、アルファベットから数十億ドルの支援を受けたほか、外部の投資家からも数十億ドルの資金を調達している。
次ページ > 収益化を模索中のウェイモ

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事