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Photo by Pier Marco Tacca/Getty Images

バルセロナを本拠とするオンデマンド配送スタートアップの「Glovo」が、シリーズFラウンドで5億3000万ドル(約586億円)を調達した。同社は、レストランのメニューや生鮮食料品、処方箋薬品など「何でも配達する」デリバリー企業として、勢力を拡大中だ。

今回の調達ラウンドはLugard Road CapitalとLuxor Capital Groupが主導した。

同社のCEOを務める28歳のオスカー・ピエールは、彼のスペイン発のユニコーンを今後1年半のうちに少なくとも10カ国に進出させたいと考えており、同時に様々なアイテムを迅速に配達するための数百の「ダークストア」のネットワークを展開する意向だ。

Glovoは、Qコマースと呼ばれる新部門を立ち上げ、あらゆる商品を30分以内に顧客の家に届けようとしている

創業6年のGlovoは、ヨーロッパや中東のいくつかの地域の食品や食料品の配送市場でトップの座を獲得している。同社のシリーズFに参加したベルリン発のデリバリーヒーローは昨年、2億7200万ドルを投じてGlovo のラテンアメリカ事業を買収していた。

ピエールは、今後2~3年のうちに上場したい意向だが、英国のデリバルーのIPOが失敗に終わった今、慎重な姿勢でそれに取り組もうとしている。

ピエールによるとデリバルーのIPO は、株の売り出し価格が高すぎたために失敗に終わったという。「デリバルーの株価は、DoorDashすら上回る水準だった。彼らはまた、どの市場においてもナンバーワンになれていない」と彼は話した。

ピエールは、Glovoが十分なシェアを獲得できなかったトルコやエジプト、ラテンアメリカ市場から撤退していた。

さらに、デリバルーのIPOに影を落としたギグワーカーの労働問題は、Glovoにとっても重荷となる。スペインの最高裁判所は昨年9月、Glovoのライダーはフリーランサーではなく従業員として分類されるべきだという判決を下していた。

「私がスペイン政府に望むのは、フランスやイタリアなどの諸国が取り組んでいるような、フリーランスの権利と保護を強化する道に進むことだ」と、フォーブスの30アンダー30にも選出されたピエールは述べた。

昨年は1億4000万ドルを借り入れ


欧州ではギグワーカーの権利をめぐる論争が高まる一方で、ベンチャーキャピタルはデリバリー分野の企業に莫大な資金を注入している。ピエールは、Glovoの今後の競合になりそうなトルコのGetirやドイツのGorillas、フィンランドのWoltなどの動きを注視している。

「人々は、この分野のビジネスを楽観的に考えている。しかし、私はGlovoを3年間率いてきた結果、利益率が非常に低いきわめてタフな分野であることに気づいている」と、ピエールは述べ、今後の1年間で勝者と敗者が鮮明になると予測した。

赤字のスタートアップ企業であるGlovoは、コロナ禍で売上を伸ばしたが、昨年はスペインとイタリアがパンデミックの初期段階で被害を受けたため、1億4100万ドルの資金を投資家から借り入れることを余儀なくされていた。

編集=上田裕資

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