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2021.09.09

「心理的安全性」を導入する際に、やるべきこと・やめるべきこと

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・相談のハードルを下げる

後輩・新人を指導する立場になった時や、自分自身が専門性のある領域で他職種の人とコラボレーションする際、ついつい「分からなかったら、何でも聞いてください」というように言ってしまいがちだ。けれども、新人や専門外の人にとっては「何が分からないかすら、分からない」ことがある。

ハードルの下げ方としては「10分手が止まったら教えてね」「困ってることがあったら、整理されてなくてもいいから教えて」「この日程で勉強会を開くので、その時に質問できる時間を設けます」「完璧な状態じゃなくていいから、材料だけ持ってきて」「ちょっと一緒にやってみましょうか」など、様々な声掛けの仕方・促し方が考えられる。

重要な点はこの声掛けの工夫に加えて、声掛けした時の約束を守ること。例えば「材料だけ」と言ったのに「なぜ材料しかないんだ」と詰めたりしないことだ。

・上司へは、提案ではなく相談する

ここまで紹介した2点は「心理的安全性」というキーワードを出さなくても実践・実行できる。けれどももちろん、上司やリーダーへ「心理的安全性」というフレーズと共に、それを目指す意義・意味を共有する、直接的なアプローチも奏功する。

有効なアプローチは「相談すること」だ。例えば「心理的安全性というものがあるそうで、リモートでのチームビルディングにも重要だそうです。『率直に意見を言えるようになることで、様々なアイデアが集まり挑戦を加速できる』、というコンセプトで、うちの部署でも試してみたいなと思っているのですが、どう試していけばいいか、相談に乗ってもらえませんか?」と話してみる。

こんな風に、ともにチームに心理的安全性をもたらす仲間として、相談を通じて巻き込む方が、上司の現在のマネジメントを責めるトーンになってしまいがちな「提案する」よりも、うまくいくだろう。

パターン2:部課長・管理職の立場から


管理職としては、全社への展開を目指す場合でも、まずは自分自身のチームで心理的安全性を構築する。そして、学習したチームが実際に成果を出し、その成功事例を持って全社展開を図ると進めやすいだろう。当社クライアントの複数の管理職での成功事例を抽出し「3Stepsの型」を提示する。
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文=石井遼介 編集=長谷川寧々

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