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ビジネスの世界で盛んに使われるようになった「心理的安全性」という概念。グーグルによってその存在を知ったという人も多いだろう。

日本における心理的安全性のリーディング・カンパニーである「ZENTech」取締役の石井遼介氏は、研究者・組織開発コンサルタントとしてこれまで100社以上の日本企業に心理的安全性の研修・講演を実施し、200名以上の管理職が自身のチームへ心理的安全性を構築するためのソリューションを提供してきた。

昨年上梓した『心理的安全性のつくりかた』は現在15刷7.5万部を記録。読者が選ぶビジネス書グランプリ2021「マネジメント部門賞」を受賞している。また、8月30日には「HRアワード2021 書籍部門」に入賞した。

いま、なぜ心理的安全性が必要なのか。組織に実装するメリットは何か。またこの分野の研究が盛んなアメリカと比較し、日本で導入する際の留意点とは──。石井氏に寄稿いただいた。


「心理的安全性」がなぜ重要なのか?


コロナ後の混沌とした世界の中でこそ、「心理的安全性」は真価を発揮する。混沌とした世界とは「正解がない」時代のことだ。もう少し正確に表現すると「正解らしきものが、正解である期間が短い」時代だと言える。

そのような時代にあっては、これまでのようにマニュアルを学んでその通りに実践する、あるいは過去の成功事例に倣うような「正解」をインストールすることで対応できる領域は時空間的に小さくなる。「正解」がないのだとすると、まずは見通しを立て(Anticipation)、実際に取り組み(Action)、振り返る(Reflection)ことを通じた学習や軌道修正、それも部門や小グループなど「チームとしての学習」が不可欠だ。

次図に世界中のアカデミアの研究者たちが明らかにした、主要な心理的安全性のメリットを整理した。いまこの時代に組織・チームに心理的安全性をもたらすことが重要なのは、心理的安全性はこの「チームとしての学習」を促進するからである。そして、学習したチームだからこそ、中長期でパフォーマンスへと繋がることも明らかになっている。


「心理的安全性のメリット」の図

心理的安全性とは、あくまでチームが学習し、組織・チームとしてパフォーマンスが上がるために必要なものであり、決して「チームのヌルさ」を指すのではく、単に「個人に優しくしよう、部下の意見には何でもいいねと言いましょう」といった話でもない。

文=石井遼介 編集=長谷川寧々

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